筑前内野という場所に十三仏を探しに行ってみました。十三仏というのは、13体の菩薩や如来像のことで、筑前内野に祀られているのは石仏です。ウィキペディアでは、「十王をもとにして、江戸時代になってから日本で考えられた冥界の審理にかかわる13の仏のこと」、と紹介されています。
福岡県にはどんな石仏があるのか興味がでてきて、ネットで調べてみたら、飯塚市にあるという、この十三仏が目にとまり、ぜひ行ってみたくなったのです。
現在地から筑前大野の十三仏:Google マップ
十三仏は具体的には、①不動明王、②釈迦如来、③文殊菩薩、④普賢菩薩、⑤地蔵菩薩、⑥弥勒菩薩、⑦薬師如来、⑧観音菩薩、⑨勢至菩薩、⑩阿弥陀如来、⑪亜閦如来(あしゅくにょらい)、⑫大日如来、⑬虚空蔵菩薩、のこと。
筑前内野の十三仏は大きなイチョウの樹の下に祀られていました。
この場所は、江戸時代に使われていた長崎街道の一角です。昔の人はこのイチョウの樹を目印にして、飯塚から、筑前内野にある内野宿、太宰府の方向へ歩を進めていたんだそうですよ。
それにしても、立派な石仏です。
十三仏は大きく分けて、不動明王、菩薩、如来の三つに分けられるようですね。偉い度でレベル分けすると、1.如来(不動明王)、その次に2.菩薩となるのでしょうか。
如来はすでに悟った存在。菩薩は如来の次に悟ることを約束された存在なんだそうです。ちなみに不動明王は大日如来の化身といわれています。
如来を区別するのは、その手の形…印相(いんそう)…をみるのだそうです。【参照「石仏、石の神を旅する」(楽学ブックス)吉田さらら著】
例えば、薬師如来は手のひらに、小さな薬壺をのせていて病気を治してくれるのだそうです。
他にも、片手をあげて手のひらを前に向ける施無畏印(せむいいん)とともに、もう一方の手をさげて手のひらを上に向けた与願印(よがんいん)をしているのが、釈迦如来なんだそうです。↓下の写真だと一番右側の石仏です。
他にも↓このように、手をおなかの前で組み合わせている禅定印(ぜんじょういん)をしているものも釈迦如来を表しているんだそうです。
手の形を見て、どんな仏様を表しているかが分かるとは知りませんでした。
これだけの石仏をみられてとても満足でした。
でも、この筑前内野には、他にも見るべきところがありました。大きなイチョウのすぐそばには、お堂があるのですが、そのお堂の脇に庚申塔がありました。
猿田彦大神と刻まれる文字塔です。街道沿いにあるので、道しるべをしてくださいと願いがこめられたコウシンさまなんでしょうね。
天保十二年とはっきりっと刻まれてて、読みやすいですね。
庚申塔…特に猿田彦大神は道案内の神様なので、もしかしたら、このような街道沿いに多く作られて祀られているのかもしれません。そしたら、福岡県にあった長崎街道とか、唐津街道に沿って庚申塔を探してみるのもおもしろいかも。なんということを考えていたら、また出かけるのが楽しくなりました。