小さな小さなお堂にも、それが建てられた当時には、建てた人たちの想いがあるのですね。
福岡県遠賀郡の水巻という場所に、梅ノ木という名前の団地があります。下の地図だと右側あたりに示しています。この梅ノ木団地の北側に、不動下という字(あざ)の場所があります。
不動下は10数メートルの小高い山になってて、ここに不動明王さまが祀られてます。
不動明王さまが祀られてる場所は、不動下から西側に350メートルほど行った不動山(400メートルちょっとの標高)の上にもあります。
どうして2ヶ所も、同じ不動明王さまの祀られる場所が、こんなに近い場所にあるのでしょうか?
実は、もともと不動山に祀られてた不動明王さまを、山のふもとにある不動下にまで移動させたのだそうです。これは、梅ノ木団地の場所に、昔あった炭坑で働く人たちのために配慮されたものでした。
高い不動山にまで登らなくても、不動明王さまを詣れるように、山のふもとの不動下に不動明王さまを祀りました。
大日如来さまが、害悪を追い払うために恐い姿となった現れたのが不動明王さまといわれています。不動明王さまが祀られたのは、炭坑地帯ならでわの事故や、病気などの災いが降りかからないよう、地元の人たちが願ったのでしょう。
こちらが不動下のお堂です↓
郷土の史料を読んでいくと、いまでは思いもよらない昔ばなしを知ることができます。
不動山の不動明王さまにもお詣りに行ったので、そちらの記事も後日アップしたいと思います。