書籍『地球の中身』P.141~152で、地球の核がどんな物質でできているのかの研究が紹介されていました。自分なりに咀嚼してみます。
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地球の中心にある核は、いまだに、何でできているのか解明されていない。地球の核は、地球全体の1/3の質量を占めている。核の主成分は鉄(Fe)・ニッケル(Ni)であることはわかっている。というのは、宇宙から飛来してきた鉄隕石の成分から推測されたため。鉄隕石は鉄とニッケルの合金でできている。この隕石鉄は小惑星の核。地球の核も同様の成分で構成されていると考えられている。
この鉄-ニッケル合金の密度は、純粋な鉄よりも大きくなる。
いっぽう、地球の外核の密度は、純鉄よりも8%ちいさいと見積もられている。この差を外核の密度欠損という。8%密度がちいさいということは、鉄よりも軽い元素がおおく含まれていることが考えられる。
地球の外核は、主に鉄で構成され、その次におおい割合の元素はニッケルである。そして、その他、鉄よりも軽い元素が外核には含まれていることがわかってきた。では、鉄よりも軽い元素とはなんなのか?
以下の3つの理由により、核の主要な軽元素の候補が6つにしぼられる。『地球の中身』P.145~150を参照。
1.太陽系に豊富に存在する元素
具体的には、鉄の1/10以上の存在度をもつ元素である可能性が高い。存在度とは、いろんな元素の存在量のこと。この存在度よりも低い元素が、地球の核に特別おおいということは考えにくいために、太陽系に豊富に存在する元素が、核にもおおいと考えられている。
2.鉄と合金をつくるものであること
地球の核におおく含まれる鉄と混ざりあう性質が必要である。そのため、鉄と化学反応をおこしにくい希ガス(ヘリウム・ネオン・アルゴンなど)は除外される。
3.金属になりやすい元素であること
アルミニウム、マグネシウム、カルシウムは金属になりにくい元素であるため、核に含まれない可能性が高い。
以上の条件を考えあわせると、以下の6つの元素が、地球の核内にふくまれている可能性がある。
水素(H)
炭素(C)
酸素(O)
ケイ素(Si)
硫黄(S)
窒素(N)
窒素(N)は、マグマにほとんど溶け込まないので、マグマを通して地球の核へとはいっていく可能性は低い。そのため、窒素も除外される。
よって、核に存在する可能性のある元素は、さらに以下の5つにしぼられる。
水素(H)
炭素(C)
酸素(O)
ケイ素(Si)
硫黄(S)
書籍『地球の中身』の著者である広瀬敬氏が、メンバーのひとりである研究がこちら。
この研究の結果では、水素(H)が地球の核におおくふくまれる元素である可能性が高いことが示されている参照。
できたての地球には、現在の地球のおよそ50倍の量の水(H₂O)があった。このH₂Oのほとんどが核に水素(H)のかたちで取り込まれた。大量の水が地球内部にとりこまれることで、地球の表面に陸と海とが共存できるようになった。
現在も地球内部のマントル部分には、海水と同じ量ぐらいの水が含まれている参照。
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書籍やサイトの内容が難解なので、自分なりの解釈でメモしてきました。そのため図の内容や書いた内容が誤っている部分があると思います。
地球の核の組成について書籍やネットで調べてみました。ふだんは気体である水素が、地球の核では金属のいちぶとして取り込まれているかもしれない。極限の環境では、想像できないような現象がおきていることがわかりました。