みやこ町の観光パンフレットに「大山祇(おおやまづみ)神社の大イチョウ」が紹介されており、この銀杏の樹をみてみたいと思い訪ねてみました。しかしパンフレットに記されている場所は、犀川(さいがわ)扇谷という情報が記載されているだけで、具体的な場所まではわかりません。
地形図で犀川扇谷をさがしてみても、神社らしきものは掲載されていません。扇谷には数件の民家があり集落がつくられているようです。集落の真ん中あたりに、数件の建物が密集していることから、この場所に神社があるのかもしれない、という見当をつけました。ここに神社があるのかどうかも、大銀杏があるのかどうかも不確かですが、ひとまずスマートホンアプリの「地図ロイド」上にピンを立てました。
国道496号線から外れ、扇谷にはいっていく道は狭く勾配が急でした。たいした量ではありませんが、道路に雪がのこっていました。車には冬用タイヤをつけていますが、道はどんどんと登っていくこともあり、道路のひろくなっている場所に車を停め、あとは徒歩で目的地までいくことにしました。
民家の間の細い路地にむかって、「大山祇神社の大イチョウ」の矢印がさされています。
民家の窓にはカーテンがひかれ人の気配がないのですが、なんとなく路地にはいっていくのに気おくれしてしまいます。
舗装のされてない坂を5分ほどあがると、石灯籠と神社へとつづく階段がみえてきました。
本殿にむかって左側に、目的とする大銀杏が鎮座していました。
場所:福岡県京都郡みやこ町犀川扇谷
座標値:33.535457,130.943470
【全体の構造】
胸高周囲約4.6m
樹高20m
枝張 (東西約15m, 南北約25m)
幹には、長寿の証とされる「こぶ」が見られ、爬虫類の皮膚のような質感があります。古い樹、独特の風格が感じられます。
推定樹齢500年前後とみられており、みやこ町のなかでも、もっとも古く大きな樹であるということです。
案内板には、“大山祇神社には、三韓出兵 (約1500年前のできごと)にあたり神社近辺に船材を求めた神功皇后がお祀りしたもので、この木はそれ以来のご神木であるとか、この木に山の神をお祀りした…などの話が伝えられている”と紹介されています。
大山祇神社が、この地に建設されたのは、大銀杏があったためだと考えられます。建設当時は、犀川扇谷の集落にも、それなりの数の人たちが住まれていたのでしょう。そして、この大銀杏を神様の依代として崇めたのではないかと想像されます。