福岡県みやこ町の木井馬場という地区に、塞の神さまがまつられているのをみつけました。この塞の神さまのご神体は、塞坐黃泉戸大神(さやりますよみどのおおかみ)と、案内板に記されています。
場所:福岡県京都郡みやこ町犀川木井馬場
座標値:33.6221350,130.9614900
「塞坐 黄泉戸大神」の「塞坐」の部分は神さまの名前の頭につける言葉です。通常「塞坐(サヤリマス)」と呼ぶそうです参照。でも「サヤル」が「進行をさまたげられる」という意味であり、そうなると「塞坐 黄泉戸大神」が良い意味とならなくなります。つまり「黄泉戸大神が妨害をうける」という意味ともなるため、「塞坐」を「フサガリマス」と読むこともあるといいます。
黄泉の国と現世との間に、黄泉比良坂(ヨモツヒラサカ)があります。この黄泉比良坂をふさぐ大きな岩の名前を黄泉戸大神(ヨミドノオオカミ)とよぶそうです参照。
黄泉戸(よみと)というのが、死者の国の入口という意味であるため、死者の国の入口をふさぐ大きな岩を「黄泉戸大神」とよびます。
つまり死者の国からはいでてくる亡者を塞ぐ(ふさぐ)役割を、この「黄泉戸大神」が担っていると考えられます。この意味から、悪疫を「塞(ふさ)いでくれる」というご利益がこの石にはあり、「塞の神(さいのかみ)」として、昔からまつられているのでしょう。
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以下は案内板に記載されたいた内容を転記したものです。
塞(さい)の神の由来
塞の神は 上古代 伊弉諾尊(いざなぎのみこと)神話にゆかりの道祖神にして地勢嶮岨(けんそ)の地に蟠踞(ばんきょ)しすべての邪霊悪疫の侵入を防ぎ自然を守り民生の安定を司る守護神なり
御祭神は塞坐黃泉大神(さやりますよみどのおおかみ)にして御神体に巨大なる男根を象る自然石を以て偶するはたくましき男性神の謂なるべし
後世 幸(さい)の神とも別称し奉り降魔の神 縁結びの神 懐妊安産の神 悪疫退散の神として広く信仰せられ家運の隆昌と子孫繁栄を希う人々の尊崇をあつむるに至るも又宜なりと云うべし
謹書