『北九州市まちかど探検』のひとつのページで、北九州市門司区の東門司という地区に『抱え地蔵』がまつられているという情報を得たため、いってみることにしました。
東門司地区は、一方通行の区間がところどころにあったり、道幅がせまかったり…と外部のひとであれば車の運転をするにはちょっと難儀する場所です。そのため、目的地からはちょっとはなれた場所に駐車し、徒歩で『抱え地蔵』のある場所へ移動することにしました。
『抱え地蔵』は東明寺山方向へのぼる坂道に祀られていました。
↓下の写真は『抱え地蔵』のある坂を少しひいた状態で撮ったものです。むこうの方に石垣がみえます。石垣につきあたって左に折れ10mほど進んだ場所に『抱え地蔵』がまつられています。
↓こちらが『抱え地蔵』がまつられるお堂です。『北九州まちかど探検-門司区田野浦・周辺』によると、このあたりは”木が多くあった広い藪で、もと正蓮寺の墓地であったといわれている”ということです。”正蓮寺”をしらべてみると『抱え地蔵』のある場所から北北東へ約500m地点にあります。
場所:福岡県北九州市門司区東門司
座標値:33.947149,130.973595
『抱え地蔵』はもともとは、南側にある東明寺山にあり、大正10年にこの地へ移動されました。Google mapで確認してみると、抱え地蔵のある場所から南200m地点に東明寺山があります。また抱え地蔵から北方向へ100m地点に「東明寺」というお寺があります。
『北九州まちかど探検』によると、東明寺山には東明寺城があったということで、東明寺城時代にまつられていた五輪塔群が明治時代に出土したということです参照。現在の位置にある東明寺は、もしかしたら、もともと東明寺山にお城とともに建てられており、それがこの山の名前の由来となったのかもしれません。
抱え地蔵へ話をもどします。
↓下の写真はお堂の外観と内観です。お堂は立て直されたもののようできれいです。お堂には「龍門山地蔵堂」とかかれた看板がかけられています。道内には複数の地蔵菩薩が服をきせられた状態でまつられています。
お堂中央部に、ひときわ大事にまつられている地蔵菩薩があります↓ これが『抱え地蔵』と考えられます。
この地蔵尊は、願い事を胸に思い抱えあげ、軽々と持ち上がればその願いがかなうと言われています。しかし、持ち上がらない時は、日を限って願懸けをしていたことから日切地蔵とも云われています(参照:北九州まちかど探検-門司区田野浦・周辺)
”もちあがらないとき日を限って願掛けをしていた”というのは「何月何日までお参りをする」というふうに、期限をきめて願掛けをしていたそうです。
お堂の内部ではなく、外にもたくさんの地蔵尊がまつられています。また地蔵尊にまじって五輪塔もまつられています。この五輪塔が前記した、東明寺城時代に東明寺山でまつられていたといわれる五輪塔です↓
北九州市門司区の歴史の一端をみることができました。