日々の”楽しい”をみつけるブログ

福岡県在住。各地の史跡巡りが好きで、九州北部を中心にNikon D750をメイン機として史跡を撮っています。詳しい撮影場所は各記事に座標値として載せていますので、座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで撮影場所が表示されます。参考にされてください。

【JR 山陽本線】どうして関門トンネルに入るまえ車内の電気が消える?

JR山陽本線で、門司駅から下関駅へと進む車内でめずらしい現象がおきます。車内の電気が一度消え、数秒後にふたたび電気がつくというものです。

 

車移動が主な私が、この現象を確かめに山陽本線に乗ったのは『九州の鉄道おもしろ史』P112-116に興味深い記事があり、それを確かめたかったからです。その記事というのは、「関門トンネル出口そばにデッドセクション(死電区間)」というのがあるというものです。

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門司駅と関門トンネルの位置関係

デッドセクションがあるのは、上のGoogle mapでは、門司駅と関門トンネル出入口(門司区側)との間。もっと詳しくいうと門司駅プラットホームの北側です。

 

場所:福岡県北九州市門司区中町 門司駅構内

座標値:33.905552,130.933832(この座標値周辺)

 

↓下の写真が門司駅プラットホームの北側を撮ったものです。

かすれてちょっと見にくくなっていますがホームの向こう側に「交直転換」という赤い看板があります。さらに看板の向こう側に、菱形で赤と白の斜線がはいった標識もあります。この場所では、ほかにも数個「交→直」などの目立つ看板が確認できます。

 

これらは何を意味するのでしょう?「この場所で、交流電流から直流電流へ切り替えてください」と運転手へ注意喚起をしているそうです。つまりこの場所で電流の種類が切り替わっているということです。

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交流・直流電流区間 模式図

どうしてこんなことが起きているのか?を『九州の鉄道おもしろ史』P112-115で解説してくれています。

 

その内容をざっくりと、箇条書きでまとめてみます。蒸気機関車から電車へ切り替わる時代にまでさかのぼります。

 

・戦前に造られた鉄道施設は直流電流を採用していた

・関門トンネルを含む本州側は直流電流

 

・戦後は交流電流が世界的に採用された

・九州ではじめて門司港から久留米までが交流電流で電化

 

・本州と九州とを結ぶ際、電気の種類が違うので問題

・そこで、連結するとき電気が流れない区間を作ることとなった

・デッドセクション(死電区間)が採用された

 

デッドセクションはその名前のとおり電気が流れていませんが、電車は25m程度はパンタグラフから集電できなくても惰性で走ることができるそうです。

この区間で運転士は以下のような作業をするそうです。

 

デッドセクションの手前で幹制御器のハンドルをオフにする。とたんに車輪を回すモーターも止まり、車内灯も消えるが、セクションを過ぎると自動的にノッチはオンになり、モーターも回り、室内灯もつく。

 

 つまり、運転手は電車に取り付けられている整流器(交流電流を電車に取り込む装置)を、デッドセクションの手前でOFFにするということなのでしょう。電気が電車にとりこまれなくなるので、車内の灯りは消えます。

 

そして、デッドセクションを電車が惰性で通り過ぎ、直流電流の流れる区間に入ると、自動的に直流電流が電車へ送り込まれてくることになるのでしょう。電車に直流電流が送り込まれ始めると、車内の灯りもつくというわけです。

 

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昔ながらの古い車両では、デッドセクションで灯りが消えるという現象がおきますが、新しい車両ではデッドセクション通過時でも灯りが消えないしくみも取り入れられているそうです(参照:「乗り物ニュース」なぜ?突然、電気が消える電車 だが誰も動じない、関門トンネルの日常風景

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デッドセクション素材の今昔

見た限りでは判別ができませんでしたが、デッドセクションの架線は、通常の銅製のものではなく、電気を通さないプラスチックで現在はできてます。昔は樫の木のシリコン油をしみこませたもので絶縁体をつくっていたそうです(参照:『九州の鉄道おもしろ史』P115)

 

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車を所有していると、電車をはじめとする公共交通機関を使用することは、ほとんどありません。できれば維持費が高い車を手放して、電車やバスで生活をしたい…と思い公共交通機関を駆使した生活をシミュレーションしてみるのですが、地方の町に住んでいると、それが現実的でないことがわかります。

 

しかし、今回の記事のような、「電車に関する疑問」を探索してみると、電車に乗る機会が増えているように感じます。まだ小さい子どもにも、電車やバスなど、自動車とは別の乗り物に乗る機会をもってほしい、という思いもあります(半分は自分の楽しみのため)。

 

今後も、ぼちぼちと鉄道のおもしろい歴史を探しにいってみたいと感じます。