場所:福岡県直方市頓野
座標値:33.753395,130.776976
福岡県直方市の頓野(とんの)にある鳥野神社境内には美しくめずらしい風景があります。そのうちのひとつがこちらの写真です↑ 神社境内から鷹取山へとのぼる登山口があるのですが、登山口ふきんに奇妙なこぶができた樹が生えています。
幹のうねりが、なんだか象などの大型動物の皮膚のようです。まるで杜にいる奇妙な生物のようです。
それにしても、どうしてこんな異様な形のこぶが樹にできるのでしょうか。ちょっと調べてみると、これは細菌の感染によるものなんだそうです。その細菌の名前は、「アグロバクテリウム」というなんとも難しい名前です。
参照:https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=2540
この細菌の遺伝子が、感染した樹の細胞の染色体に入り込み、細菌の遺伝子が発現するようになり、樹の細胞が増殖した結果なのだそうです。これだけの情報を見ると、なんだか細菌の感染により癌細胞が発現したような印象を受けます。
しかし、そうではないようで、オーキシンやサイトカイニンといった、植物細胞の成長を促進するホルモンがあるのですが、あくまでも、それらのホルモンを分泌する細胞を活性化する…のだそうです。成長が促進されるので、遺伝子が発現したその部分だけが、ぼこっと盛りあがり、写真のような奇妙な形のこぶができるのですね。
日常生活に特に役立つ情報ではありませんが、ふだんみている風景のちょっとした疑問を調べてみるのも、なかなか楽しいものです。