日々の”楽しい”をみつけるブログ

福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

国東での庚申塔探訪 青面金剛の庚申塔 大分県杵築市片野

国東半島の庚申塔を調査し続けている小林幸弘氏にいただいた資料をもとに、杵築市の庚申塔を、2019年3月9日に探してみました。数か月ぶりの国東半島での庚申塔さがしです。今回、探した庚申塔は以下の場所にありました。

 

場所:大分県杵築市大字片野高須725-1-1

座標値:33.403259,131.6335412

庚申塔は「高須御堂」というお堂の裏手に祀られていました。

高須公民館に車をとめさせていただき、公民館から徒歩で東側にある高須御堂へ移動しました。270mほどの距離です。

高須御堂は樹々におおわれた丘の上にあります。そのためちょっとした坂道をのぼることとなります。↓下の写真だと左側に上へ登るちょっと荒れた道が確認できると思います。

この坂を登っていくと、とちゅうから階段に変わり、右手に「聞法道場 高須御堂」という看板がかかげられた建物がみえてきます。庚申塔のある場所へはさらに階段をのぼります。階段は横のしげみからの雑草におおわれはじめ荒れています。

階段をのぼりきると、庚申塔、石祠、石仏が祀られています。

庚申塔を正面から眺めます。一面六臂(ろっぴ)の青面金剛(しょうめんこんごう)が主尊。その両側に二童子を従えます。

青面金剛の足元には、見ざる言わざる聞かざるの三猿と二鶏が刻まれます。さらにその下には庚申講メンバーの名前らしき文字がかすかに確認できます。

 

青面金剛は一面六臂(1つの顔と6本の腕)と書きましたが、資料には一面四臂と掲載されています。どちらかはっきり判別できない部分があります。

 

細かく観察してみます。左手は、槍をもった1本の手とは別に、横に広げた2本の腕が明らかに見えます。右手側は、2本の腕が確実に確認できるのですが、もう1本の腕ははっきりとしません。なんとなく体の前で肘をまげた状態で保持しているようにも見えます。以上のような観察でとりあえず六臂と判断してみました。

二童子の表情はかすかに微笑んでいるようで柔和な印象を受けます。建立年月日は庚申塔の両側や背面、土台にも確認できませんでした。資料にも紀年は「なし 江戸後期」と紹介されています。

 

国東半島で庚申塔をさがすときは、「国東半島の庚申塔」や「大分県の青面金剛・庚申塔」を参照させていただいてます。これらのサイトでは詳細な場所が記載されているので、あまりまよわずに庚申塔を見つけることができます。

 

今回はおおまかな場所しか記載されていない資料をもとに探してみました。とても大変ですね。資料や庚申塔の写真を片手に地元のかたに場所を聞くしかないのですが、地元のかたでも庚申塔のことを知らない場合もあるので、そういう場合は地道に歩いて探し回るしかありません。

 

しかし探している間は、知らない町や村の、知らない景色を詳しく見て回ることができます。とても楽しい時間でもあります。庚申塔という媒体がなければ、なかなかこういう経験はできません。