福岡県と大分県との境にある築上郡や豊前市へは、あまり足を運んだことがなく、この地域のことをあまり知りません。最近、築上郡にある名勝 「旧藏内邸」へ足を運ぶ機会があり、築上郡を少しだけ巡ることがありました。
福岡県の築上郡を巡ってみると、北九州市などの町と比較すると、福岡県のなかでも開発があまり進んでいない地域だということに気づきました。開発が進んでいないために、史跡や自然が昔のままの状態で保たれている場所のようで、とても魅力的な印象を受けました。
そんな築上郡の自然のひとつ…こちら↓は「鬼の雁木(がんぎ)の滝」です。福岡県道32号線を車で走っていて、たまたま見つけました。滝から約40m離れた展望台から見下ろします。
座標値:33.544454,131.004368
築上町のホームページを参照すると、どうも県道32号線が開通する前までは、一部の登山者しかみることのできない珍しい滝だったようです。
2008年4月17日、県道 犀川豊前線(県道32号線)の未開通部分であった寒田(築上町)と求菩提(豊前市)の間が開通した。 時折、登山客の間で話題に上っていた「鬼の雁木の滝」がベールを脱いだ。
雁木(がんぎ)とは?
それにしても滝の名前になっている「雁木(がんぎ)」は聞きなれない言葉です。調べてみると、”雁(がん)の行列のように斜めでぎざぎざしているもの”の意味だそうです。
手持ちの写真で、なかなか良いサンプルがなかったのですが、おそらくこのような構造物↓が近いものだと思います。
でもどうして、鬼の雁木の滝と呼ばれるのでしょう?
どうして雁木と呼ばれる?
滝を撮った写真が遠くから撮りすぎたためか、岩肌を見る感じでは、なかなか雁木感は感じられません。
しかし滝の流れるスジを眺めてみると、何本ものスジになっていることがわかります。この縦に流れる滝のスジが雁木に例えられたのかもしれません。
冬になると、鬼の雁木の滝は凍結し氷瀑となるようです。滝が凍結し何本ものツララが垂れ下がる姿をみると”鬼の雁木”と呼ばれる理由がわかるような気がします(参照)。
「鬼の雁木の滝」があるのは、もともと火山だった求菩提山(くぼてさん)です。求菩提山は火山らしくゴツゴツした凝灰岩という岩で、基盤が造られているそうです(参照)。
その山肌のゴツゴツ感が、いくつものスジを作り””雁木”のような形の滝を作り出しているのでしょう。