大分県豊後高田市加礼川にある標高543.3mの屋山(ややま)。以前に尻付山にのぼったとき、遠くに見ることができた山だ。山の東側が切れ落ちていて、大分県中津市にある八面山(はちめんざん)に形が似ている。
あんなに急そうな山に登れるのかなと思っていたら、登れることがわかった。普段足を運んでいる”花のお寺”として有名な長安寺(ちょうあんじ)の境内から登れるのだそうだ。そこで登ることにした。
屋山の概要
屋山は国東半島の中央部よりやや西側に位置する。
屋山の東側には”並石ダム”がある。この並石ダムから屋山の北側地域は、険しい岩稜地帯で、奇岩がつらなる。
並石ダム周囲には桜の樹が植えられていて、春にはこの奇岩秀峰と桜が美しく対比する。この景色は特に好きなので、毎年景色を楽しみに行く。
屋山山頂へは、標高330mくらいにある”長安寺”から登っていく。長安寺には登山者用の無料駐車スペースがある。往復で約3.2㎞、累積標高(+)は473m。長安寺境内から作業道が1㎞ほど続き、それからは勾配が30°から40°の急登が200mほどある。山頂付近はなだらかな尾根が続くので、肩のちからを抜いて歩くことができる。
ただ、夏の暑い時期は虫がおおくて、歩いているとまとわりついてくるのがうっとおしい。
長安寺駐車場から作業道終点まで
無料駐車場に車を停めさせてもらい、長安寺境内方向へ進む。
↓長安寺の境内を進んでいく。
境内を過ぎても舗装道は続く。このあたりの勾配は20°から30°なので、それほどきつくはない。途中地形図に載っていない、分かれ道はあるが、「屋山はこっち」という標識もあるので迷うことはないと思う。
↓途中の分かれ道。
↓おそらくこの分かれ道は溜池の方向へ進む道なのだろう。
地形図では、はじめはゆるやかなの登りで5つのカーブを曲がり、5つ目のカーブをまがると等高線に沿った高低差のほとんどない、なだらかな道になることが予想される。
↓これが最後の5つめのカーブ。ここからは、ほとんど高低差はないだろう。
周囲は樹木で覆われ、直射日光を避けさせてくれる。
↓ときどき大きな岩石が姿をみせる。
↓右側(西側)は切り立った崖になっている。
↓地形図でいえば、青丸部分。矢印は進行方向を示す。
↓ところどころに、東側の斜面から落石があるようだ。
↓作業道の終点が見えてきた。
↓写真には撮らなかったが、ここからは並石ダムから流れ出る”都甲川(とごうがわ)”に沿ってできた集落を一望できる。
作業道終点から屋山山頂まで
登山道入口には、屋山山頂には戦国時代に城があったことを説明する看板があった。いまでも城の痕跡が残っているそうなので、それを見つけながら山頂を目指していく。
屋山城の痕跡
・竪堀(たてぼり)
敵が登城するとき、横方向に移動しにくくするためにつくられた堀。これは登山道に沿って彫られているもののようだ。
・堀切(ほりきり)
敵が攻めてきたとき、侵入防止のためにつくられた堀で、これは頂上付近の台地状になったところに2つあるようだ。
登山口からのぼっていく。
↓落ち葉のつもる斜面を登っていく。
↓すぐに岩場が姿をみせる。
↓地図でいえばこのあたり。
↓この岩場はながくは続かず、せいぜい100m程度である。
岩場を過ぎると、最後の急登がはじまる。勾配は30°ほど↓。よくみると写真右側が凹んでいることがわかる。これが屋山城跡のひとつ竪堀だ。
↓上から見下ろしたところの写真。
↓この急登を登ると尾根にでる。ここからはなだらかな尾根が三角点まで続くだろう。すこし気持ちがホッとする。
↓おそらくなにか建物がたっていたのだろう。人工的な斜面が確認できる。
↓尾根を歩いていくと、ひとつめの堀切が姿をみせた。グッと2mほど落ち込んでいる。
↓後ろをふりかえってもう一枚撮る。
↓尾根の中央部は倒木や岩石で通れない。尾根中央部よりやや東側に登山道があるので、ここを歩いていく。
↓後ろを振り返るとこのような感じだ。
↓尾根中央部はこのような感じ。
↓そして屋山山頂の三角点に到着する。
三角点のある場所は樹々がきられて、開けた場所になっている。この場所に城の主郭があったそうだ。今では金毘羅社(こんぴらしゃ)が祀られているが、荒れている。
石灯籠の屋根などは落ち、祠にはなにも祀られていない。
↓さらに尾根を進んでいくと、巨大な石灯籠が姿をあらわす。
↓そのさらに奥にも道は続いている。やや登山道は下りとなっている。
↓今度は屋山城跡の碑と書かれた石碑が立っている。
↓まだ尾根は続く。三角点のあった場所から北北東へ200mほど移動した場所に最終目的地である”ショウケが鼻”が見えてくる。
最終目的地 ショウケが鼻からの展望
ショウケが鼻を360°ぐるっと見渡すとこのような感じだ↓西側と東側の展望が開けている。
↓東側
↓並石ダムと、ダムの向こう側に一畑という集落がみえる。
↓並石耶馬…別名 鬼城耶馬(きしろやば)が見通せる。
↓南側
↓北側
↓西側
↓最近登った尻付山もみえる。
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