ひと集落に必ずひとつはコウシンさまが
祀られてた…と、この地区に昔から住んでるかたは
おっしゃってました。
ここは玖珠郡玖珠町の松信という地区。
よく、九重(ここのえ)から耶馬渓(やばけい)に
自動車やバイクがぬける裏道みたいな、県道43号線が
とおってます。
その県道43号線沿いに、この地区の庚申塔は祀られてます。
場所:大分県玖珠郡玖珠町松信 バス停そば
現在地から「玖珠町の庚申塔」:Google マップ
↓自然石に「猿田彦大神」とだけ刻まれてて、
この簡素な造りから、おそらく初期の庚申塔と予想できます。
仏教系→青面金剛
神道系→猿田彦大神
…と、庚申塔に刻まれる神仏がちがってます。
ここのコウシンさまは神道系。
付近には「天祖神社」という小さなお宮が建てられてて
少なくとも、松信のコウシンさまは、
このお宮とつながりがありそうな感じがします。
猿田彦大神は、もともと邇邇藝命(ににぎのみこと)という
神さまが地上に降りるときの道案内役をになっていた神さま
です。
県道43号線とは少しズレて、天祖神社へ向かう参道のなごりが
残ってます。小さな鳥居と、小さな石橋です。
Googleのストリートビューをみると、こんな感じ↓
道路の端に、不自然に石橋と鳥居が残ってますね。
天祖神社へ向かう参拝者を迎えるために、
その昔は、参道沿いに松信のコウシンさまが祀られたと想像されます。
天祖神社の元宮へいってみた
天祖神社は小さなお宮なんですが、
その境内に気になるものがあります。
↓この赤い鳥居。
↓赤い鳥居の奥には、道がつづいています。
どうも元宮につづく参道のようです。
ただ道がかなり荒れてますね。
以前にも元宮までアタックしてみましたが、
パラパラ雨がふってきて、道がかなり荒れてたこともあり
あきらめて引き返してきたことがありました。
今回は晴天に恵まれてたので、強い意思をもって
再挑戦しました。
全行程は↓こんな感じ
↓この三角点ふきんに元宮があるのかな…
とか考えながら
途中、この箇所だけ展望がひらけます。
あとにも先にも、下界がみれるのはここだけ。
あとはひたすら、落ち葉がふりつもってすべりやすい
参道…というより山道をのぼっていきます。
途中からは、人の通ったあともみえにくく
かろうじて石段がところどころにあるのを
見て、まちがった道をいってるのではないことを確認。
↓なにかが建ってたのか…礎石がありました。
↓登りはじめて、だいたい20分ほどで
元宮がみえてきました。
↓想像していたよりも小さく、でも新しい印象です。
それもそのはず、木製の灯篭は平成23年…
いまから5年前に奉納されたものだから。
↓鳥居のほうは、塗装がはがれてきてるところもあって
ちょっと古そう。21年前の奉納。
↓元宮の名称は「妙見宮」っていうんですね。
↓地図をみても、三角点まではまだちょっとありそう。
元宮の裏に、さらに奥へ続く道が。
↓元宮をすぎたあたりからは、標高差はほとんどなくて
平板な道がつづく。
↓わかりくにくくて探し回ったけど、
なんとか三角点がみつかりました。
↓四等三角点
へえ-、この山は「中ノ原山」っていうんですね。
登頂してはじめて知った。
↓山頂付近は、ずいぶん倒木が多くて
樹をまたごしながら三角点をさがすような感じでした。
天祖神社の関係者が、
年に数回おとずれる程度なのだそうで、
ほとんど人に知られることなく、
でも昔からここの集落を見守っている
お宮でした。
ところで登ってるあいだ
周囲でガサゴソと音がしてて
なにか得体の知れない獣がいるって思ってたら
キジでした。
以前、国東市では雄のキジが道路をよこぎって
おどろいたけど、ここでは全身栗色の
雌キジがあらわれました。
軽快にぴょんぴょん飛び跳ねてましたが
飛翔はあまりしないようですね。