日々の”楽しい”をみつけるブログ

福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

「国東半島の庚申塔」の著者様から本を贈呈していただきました

まだ大分県豊後高田市に住んでいるとき、仕事が休みの際には、よく国東半島に点在する庚申塔を探し回っていました。その際に参考にさせていただいたのが、こちらの「国東半島のコウシンさま」です。 

この書籍の著者が小林幸弘です。光栄なことに、先日、小林からご連絡をいただきました。庚申塔について素人のぼくが、ブログで庚申塔の記事を発信していることで、なにかお叱りをうけることがあったのかな…などと初め不安に思っていましたが、そんなことはありませんでした。

 

2017年10月15日に「国東半島の庚申塔」を出版されたということで、こちらの書籍を贈呈していただけるとのご連絡でした。なんてうれしい知らせなんでしょう。なにがうれしいって、いつも読んでいた本の著者様からのご連絡ということです。 当ブログを、小林にご覧いただいていたことがわかり、なんとも恥ずかしくもあり、うれしくもあり、ブログを続ける励みにもなりました。

小林は、学生時代の1973年にはじめて国東半島に訪れて以来、大阪と国東半島を何度も行き来し、庚申塔の調査を行なってこられたそうです。はじめは夜行寝台列車、それから飛行機を使って…。ぼくは大分県から福岡県へ移住しただけで、「ああ、国東半島からは遠くなってしまったなぁ」とやや落胆してた感がありましたが、小林のエピソードを知って、とても力づけられました。福岡県と大分県じゃ隣どうしじゃないかと。

 

 贈呈していただいた書籍がこちらです↓今回の書籍は「大分合同エデュカル」から出版されました。

「国東半島のコウシンさま」と比較すると、「国東半島の庚申塔」では庚申塔についてあまり知らないかたでも、一度ザッと全体像が俯瞰できるように、わかりやすく庚申塔について解説しなおされていると感じられます。

 

また、「国東半島の庚申塔100選」という項目が新しく追加され、小林が選んだ庚申塔が解説つきで紹介されているページもあります。国東半島のなかでも特徴のある庚申塔が選ばれているので、半島での庚申塔探しの取っ掛かりとしても、重宝するページだと感じました。

 大分合同新聞の記事で紹介されているように…

 

豊後高田市を訪れた際、定宿や協力を得た関係者には完成した本を手渡した。「国東半島で出会った皆さんの優しさがあったから今まで調べることができた」と礼を述べた。 

石塔調査の集大成 「国東半島の庚申塔」出版 - 大分のニュースなら 大分合同新聞プレミアムオンライン Gate

 

…と、小林のお人柄を垣間見ることができました。実際、小林とのメールでのやりとりは、氏の細かいお心遣いに気持ちがほっこりとしました。この場を借りても、お礼を申し上げます。ありがとうございました。

 

これからも、庚申塔巡り、いろんな場所の文化巡りを、ぼちぼちと続けていきたいと思います。 

もうすぐ千燈寺(せんとうじ)跡の黄色のじゅうたんがみられる時期がくる

国東半島の紅葉の見ごろ時期がきているようです。といっても、紅葉時期に、まだ国東半島へは足をはこんでいません。行きたいなとは思っていても、なかなか時間をみつけることができません。

 

そのような理由で↓こちらは、2014年12月3日に撮影した千燈寺(せんとうじ)跡の写真をアップします。数回、この場所へ紅葉を撮りにいってみましたが、他の名所…両子寺(ふたごじ)、富貴寺(ふきじ)などを比較して、やや遅めのイチョウの落葉のようです。

場所:大分県国東市国見町千燈1334

地図:Google マップ

 

だいたい12月にはいってから、このようなイチョウのじゅうたんをみることができます。こんな紅葉時期でも、千燈寺跡は閑散としています。この場所へ行くと、人に会ってもひとりふたり…寂しげな印象をいつも受けます。でもそのおかげで、三脚を立ててゆっくり写真撮影に没頭することができます。

 

↑上の写真は、旧千燈寺の本堂跡で出迎えてくれる半肉彫りの仁王像。その仁王像の隣に大きな銀杏の樹があり、この樹の落葉が毎年立派な黄色のじゅうたんをつくってくれます。

千燈寺跡の黄色のじゅうたんの見ごろは、だいたい12月上旬だと思います。

富貴寺の珍しい石仏 奪衣婆(だつえば)石仏

大分県豊後高田市の富貴寺(ふきじ)。紅葉の名所でもありますが、こういう石仏も見どころのひとつです。こちらは、奪衣婆(だつえば)石仏です。


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富貴寺大堂を正面に見て、境内の左側に、十王石仏とともに祀られていました。奪衣婆とは、いったいどんな存在なのか、気になって調べてみました。

 

奪衣婆は三途の川のほとりにいるとされます。三途の川に来た亡者が、川の渡り賃を持っていないと、この奪衣婆が亡者の衣服をはぎ取るそうです。

 

衣類は、もうひとりの懸衣翁(けんえおう)という おじいさん鬼に渡され、衣領樹(えりょうじゅ)という大樹に懸けられます。

枝のしなり具合で、亡者の生前の罪 度合いが計られるのだそう。

 

その罪の度合いによって、どの地獄へいくのか決が決まるのでしょうか。

 

こういう石仏は、他の場所ではまだ見たことがありません。豊後高田市役所のホームページを見てみても...

 

市内における中世の奪衣婆石仏の作例は他にありません

 

...と、珍しいものだと思われます。

 

もうすぐ、富貴寺のイチョウのじゅうたんが見られる時期になります。↓こちらは2015年11月26日に撮った写真です。


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富貴寺では、だいたい毎年11月下旬に紅葉の見頃を迎えるようです。今年もいいタイミングで足を運べたらなあと思います。

福岡県飯塚市の宿場町 内野宿(うちのしゅく)の祭りに行ってみた

「宿場のにぎわい」と題された祭りが、福岡県飯塚市内野という場所で、2017年11月10日(金)から11月12日(日)まで行われました。11月11日には夜、ライトアップされた大イチョウを観に行って、11月12日には昼間にイベントが行われている宿場町をぶらっと歩いてみました。 

↑今回の目的だった内野の大イチョウ。紅葉している状態を見てみたいと訪れてみました。残念ながら2017年11月12日の時点では、まだほとんど黄色に色づいていませんでした。でもいっぱい葉をつけている内野の大イチョウをみるのはこれが初めて。かなり迫力がありましたよ。

 

12日の11時半ごろに内野に着き、車は内野小学校の近くに停めさせてもらいました。ほんとうは正式な広い駐車場が、正円寺の裏にあったようです。

 

「宿場のにぎわい」は、見た感じ小さなお祭りという印象。団体の方々が10数人ほど来られていましたが、その他の観光客はボチボチという感じでした。

 

お昼頃ということで、メイン会場近くの食堂はにぎわっていましたよ。食堂玄関口の、臨時に設置された売店では、テイクアウト商品が売られていたので、からあげ、ポテト、白玉のきなこ団子を購入。

1パック100円から200円と気軽に買える値段。なかでも、この白玉団子はおいしかったですよ。その場、手作りです。

この白玉↑、つくり置きがされてなく、20分くらい作るのにかかるということだったので、待っている間に近くの「内野宿展示館」へいってみました。

 どうも祭りの期間中は無料開放されているようで、こちらも中に気軽に入ることができました。展示館のなかに、一冊100円で売られていた冊子「長崎街道 内野宿ものがたり」第1幕から第3幕。三冊とも購入。こういう郷土資料は、その土地を詳しく知るのにもってこい。だいたい売り切れると再発行されないので、あるときに購入するのが後悔しないコツだとわかってきました。

そして、無料の「別冊 内野宿ものがたり 休蔵先生の内野の歴史講義」<第1回>もつけてくれました。

 

販売していただいたかたの話を聞くと、「内野地区活性化協議会」のかたがたがひとつひとつ手作りで、これらの冊子を作っているそうです。

中身は、堅苦しい文体の史料という感じではなく、語り部口調で歴史が綴られています。でもやっぱり郷土史料で、なかなか内容がディープ。ぼくの頭では、理解するために何度も読んで咀嚼しないといけないようです。

 

ちなみに、史料を包んでくれた袋も手作りなんだそうです。凝ってますね↓

他には、「松屋」と呼ばれる、もともと宿屋だった家にも見学に入らせていただきました↓

こちらのお宅は、夜間、竹筒でつくられた「ぼんぼん飾り」が灯される場所です↓

そしてまた↓立派な生け花が土間に飾られていました。うーん癒される。

小さい子ども連れだったので、1時間半ほどで引き上げました。こういう小さな祭りは、ゴミゴミとしていなく、周りの人に気を使わなくていいので、のんびり楽しめます。

ライトアップしている”内野の大イチョウ”を見に行った 福岡県飯塚市

福岡県飯塚市内野にある内野宿(うちのしゅく)。内野宿は、長崎街道にある宿場町のひとつです。ここ内野宿で2017年11月10日から12日まで、「宿場のにぎわい」というイベントが開催されています。

 

内野宿にある大イチョウは、夕方5時くらいから夜8時までライトアップされているようです。このライトアップされたイチョウはどんな感じなのか、一度見に行ってみたかったので、11月11日に行ってみました。大イチョウは、↓下の図でいえば青丸で囲んだところです。内野宿の御茶屋跡へ向かって小路を歩いていると、右側に見えてきます。

仕事終わりだったので、内野宿に着いたのは夜7時半をすこし過ぎたころ。内野の集落は暗く、ほんとにイベントが開催されているの?と思えるほどひっそりとしていました。不安をおぼえながら、イチョウの方向へ行ってみると、大きく立っているイチョウの樹がたしかにライトアップされているのを見てひと安心。

 

小路からイチョウへ進む道に、提灯がともされていました。適当なところに駐車させてもらい、いざ大イチョウのところへ。

下からの強烈なライトで、大イチョウがグーンと夜空へ伸びています。この迫力ある光景をどうやって写真におさめよう…と四苦八苦。

こんなに暗い時間帯では、ISO感度を大きくしたほうがよかったのですが、三脚を使っての撮影だったので、ISO感度を100にまでさげて長時間露光で撮影しました。でも後で考えてみると、やっぱりISO感度を1000くらいまで引き上げて撮影したほうが、しっかりイチョウをとらえることができたように思えます。

イチョウの葉は上にいくほど黄色味が増し、下に行くほどまだ色づいていない緑色の葉でした。ライトアップでは、なかなかその微妙なグラデーションをとらえることができず残念でした。夜空へ向かって、グワッと枝を広げるイチョウの樹の迫力をとらえたかったのですが、ぼくの力不足で写真には写せなかったです。

写真を三脚を立てて撮っている間の30分間は、誰も観光客は来ません。綺麗な星空の下、こんな立派なライトアップを独り占めしているのは、少々もったいない感じがします。

 

そうこうしているうちに、ライト消灯の時間(20時)が来てしまいました。帰る身支度をしているとき、係りのかたが消灯を行ないにやってきました。係りのかたはとてもやさしいかたで、まだ消灯するのを待っているので、ゆっくり写真を撮っていいと声かけをしていただきました。

 

そして、さらにまだ他にも見どころがあることを教えていただきました。その見どころが↓こちら。内野宿の松屋」という宿屋さん内に、竹筒を並べ、ろうそくに火をともす「竹あかり」というものが飾られていました。家屋内に飾られているので、営業時間外なのに、係りのかたはわざわざカギを開けて、案内してくれました。

 ろうそく…といっても本物ではなくて、LEDライトですけど、なんとも雰囲気があります。あわてて撮ったので、ピントがあっていないのはご了承ください。

 

竹筒の模様は顔を模してくりぬいているそうです。この「竹あかり」は、正円寺の境内と、その参道にも飾られています。

土間にはこんな立派な生け花も飾られていました。

そして猫の顔を模した、竹あかりアートも。

正円寺と松屋は、内野宿の中心部にかたまっています↓

 

宿場のにぎわい(イベント情報)を見てみると、この竹あかりは他にも長崎屋、小倉屋、麹屋、宗賢寺、鹿寿庵など周辺の家屋内でも飾られているようですね。まだ11月12日の日曜日にも、イベントは続くようです。

 

11月12日(日)
長崎街道をワラジで歩く
(有料1,500円ワラジ、お弁当付き)
出発 10:00〜 / 13:00〜
長崎街道冷水峠〜首なし地蔵〜荒田〜五反田橋〜古門〜老松宮〜展示館)


●紅葉名所めぐり
(バス 有料300円 だんご、お茶付き)
出発 10:30〜 / 13:30〜
(浦田〜弥山〜君ケ畑〜大石〜見定〜西光寺)


●黒田藩陽流抱え大筒
16:00〜 内野大イチョウ


●食事処(長崎屋、うちの茶屋)


●内野宿にぎわい市


●ライトアップ・ぼんぼり飾り
16:30〜20:00
(老松宮イチョウ、宗賢寺、正円寺、内野宿内各所)

 

 

特に、16時から大イチョウ前で行われる「黒田藩陽流抱え大筒」は、係りのかたが推されていました。調べてみると、こんな感じ↓火縄銃のようなものらしく、「福岡県指定無形文化財」にも指定されているようです。

話題をもとに戻しますが、大イチョウのライトアップは、今日のイベントが終わってからもしばらく行われる予定で、イチョウが落葉するまで継続するようです。

 

2017年11月11日時点では、イチョウの紅葉はまだ完全に黄色という感じではなく、樹の下の方の葉はまだ緑でした。2割程度の紅葉かなという感じ。

2017年11月10日(金)から12日(日)まで飯塚市の内野宿で大イチョウライトアップ

ネット版の西日本新聞でこんな記事をみつけました。

 

江戸時代に旧長崎街道の宿場町として栄えた飯塚市内野地区で10~12日、秋の風情を楽しむ「宿場のにぎわい」がある。樹齢約500年の県指定天然記念物「内野の大イチョウ」のライトアップや竹筒約千本を並べ、ろうそくに火をともす「竹あかり」など盛りだくさんの内容だ。

大イチョウをライトアップ 飯塚市内野 10日から「宿場のにぎわい」 [福岡県] - 西日本新聞

 

今日(2017年11月10日)から、明後日(11月12日)までの期間で、福岡県飯塚市の内野宿(うちのしゅく)でイベントが行われるんですね。内野宿はふだん訪れたときは、ちょっと寂しい感じの町…というより集落という感じ。古い建物が残っていて、宿場町の名残が垣間見れます。

↓町全体は下の図のように、逆T字型になっています。これは昔の内野宿の模式図です。今では、「小路」と書かれた道が上下に分断するように筑豊本線が走っています。

ライトアップされる大イチョウは↑上の図で青色の丸で囲っています。小路を通って御茶屋へ行く途中、右側の脇道にはいったところに大イチョウが立っています。

 

↓こちらが樹齢500年の大イチョウ。ぼくが訪れたときは3月くらいだったので、葉はすべて落ち、裸の状態でした。葉が落ちる前のイチョウの写真が西日本新聞(ネット)に掲載されていましたが、立派なたたずまいでした。どうもイチョウのライトアップは、この三日間だけでなく、落葉するまで継続されるようですね。

ちなみに、内野宿を知ったきっかけとなったのは、大イチョウの傍にまつられている十三仏です。この十三仏を探し、ぜひ参ってみたいと思ってきたのが、内野宿に来たきっかけでした。

竹筒約千本を並べ、ろうそくに火をともす「竹あかり」…見てみたい。うーんぜひ、イベント期間中の内野宿に、行ってみたい。

2017年11月8日 英彦山の紅葉はみごろだけど遠目でみるのが一番きれい

福岡県と大分県の県境にある霊山…英彦山(ひこさん)の紅葉。モミジもイチョウも、だいぶ色づいていて見ごろだと思いますが、樹々に近づいてみると「これはっ」といえる紅葉はなかなか見つけられませんでした。気候の影響なのでしょうか…葉っぱ一枚一枚近づいてみると、黒い斑点がめだって綺麗という感じではありませんでした。今年は樹々から離れて、遠目でみる紅葉が綺麗だと感じました。

 

↓こちらは多重露光で2枚のモミジを撮影した写真。一枚目はピントを合わせて、二枚目はマニュアルフォーカスでおもいっきりぼかして撮影してみました。木の葉一枚一枚の黒い斑点が目立たなくなりました。

 

今日は、英彦山神宮まで石段を登って紅葉を探してみましたが、英彦山で一番綺麗に色づいていたのは、英彦山温泉「しゃくなげ荘」付近のモミジでした↓

場所:福岡県田川郡添田町英彦山1881付近

地図:Google マップ

 

毎年、紅葉時期、英彦山に来たときには、この「しゃくなげ荘」付近を散策するのですが、このあたりが一番紅葉が綺麗な印象です。比較的、広い駐車場もあるので、車を停めてゆっくりと紅葉を楽しめます。

 

今年は県道451号線と、県道418号線で英彦山神宮ふきんの駐車場まで登りました。下りは国道500号線を使用。県道451号線沿いにも、ところどころに綺麗なグラデーションをともなう紅葉も見かけられました↓

でも国道500号線沿いの紅葉のほうが、綺麗に進んでいるような印象でした↓

 

英彦山神宮ふきんの紅葉はこのような感じで、11月8日現在では色づきはいまいちでした↓

そしてこちら↓が「しゃくなげ荘」付近の紅葉。スマホのカメラで撮影。

一見、遠目では色鮮やかに見えますが、近づいてみるとちょっとくすんだ感じの紅という感じでした。でもこうやって、秋をみつけて探し歩くときが、写真を撮る楽しみを感じられる癒しの時間です。