書籍『治癒と物語』において、伊良部島(いらぶじま)の佐良浜(さらはま)地区の民間医療(書籍内では民俗医療と呼ばれている)について紹介されています。読書するにあたり、伊良部島、佐良浜の位置関係について下調べしてみます。宮古島は沖縄本島から、さらに南西へ約300キロメートル離れており、沖縄から飛行機で約50分、フェリーで約6時間かかるほどです。交通手段が機械化されていない時代には、文化的なへだたりが大きく、沖縄本島との交流もかぎられていました。そのため、この地域独特の文化が発達したと考えられます。
宮古島の人口は約5万5千人、伊良部島の人口は約6千人。現在は宮古島と伊良部島との間には伊良部大橋が2015年1月に開通し、車でも両島を行き来できるようになりましたが、橋ができる以前は船で両島を行き来していました。伊良部島のフェリーの発着場が「佐良浜(さらはま)」でした。
宮古島の北側にある池間島から漁業や耕作目的で人が佐良浜へうつってきたのが村(邑)の始まりでした。1720年のことです。1720年は享保(きょうほう)なので江戸時代のことです。
参照:伊良部漁業協同組合
参照:『治癒と物語』P.42
①伊良部、②長浜、③佐和田、④国仲、⑤仲地、⑥前里添、⑦池間添
7つの行政区により伊良部ができていて、⑥前里添(まえさとそえ)、⑦池間添(いけまそえ)をあわせて、通称 佐良浜(さらはま)と呼びます。
現在、伊良部大橋が伊良部島の南東部分に接続されているために、佐良浜は交通の要衝ではなくなったようです。