『地球の中身』(廣瀬敬)P.71~92に地球内部に存在する鉱物が紹介されています。地球内部の鉱物がどんなもので構成されているのか知ると、いま地表でみることができるどの岩石がめずらしいもので、どの岩石がそんなにめずらしくないのか、知ることができます。そんな鉱物のなかで「ブリッジマナイト」という聞いたことがないような鉱物が紹介されています。このブリッジマナイトという鉱物が、地球内部でいちばんたくさん存在するもののようです。
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深さ520㎞から660㎞の間のマントルは、リングウッダイトという鉱物でおもに構成されている。リングウッダイトの化学組成はMg₂SiO₄である。Mg₂SiO₄がさらに高圧環境下におかれると分解し、MgSiO₃とMgOとなる。
深さ660㎞以深(24万気圧以上)の下部マントルだとMgSiO₃をおもに含んだ鉱物が主体となる。MgSiO₃をおもに含んだ鉱物は「ブリッジマナイト(bridgmanite)」と呼ばれる。いっぽう、MgOをおもに含んだ鉱物は「フェロペリクレース」と呼ばれる。
ブリッジマナイトは下部マントルの8割を占める鉱物。下部マントルは地球全体の6割を占める。よってブリッジマナイトは地球の約半分を占める鉱物。地球にいちばん多く存在する鉱物といわれる。
ブリッジマナイトは、とても硬く、薄い茶色をした鉱物。
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実際のブリッジマナイトの写真が2014年6月19日のナショナルジオグラフィックのネット記事に掲載されています。
参照:地球で最多量の鉱物、ようやく命名 | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト
地球の深部には、このような飴色の岩石が、ぎっしりとつまっているのですね。