福津市の津丸という地区に、宗像四国西部霊場 第71番札所のお堂があります。この敷地内に一基の庚申塔が祀られています。
お堂にむかって左側に藤棚があり、棚の向こう側に石塔が二基みえます。
二基の石塔のうち左側が庚申塔です。
場所:福岡県福津市津丸
座標値:33.7683792,130.511673
正面に「奉請 庚申講 現當二世悉地成就」と刻まれます。その右となりに「貞享五辰年」、左となりに「三月吉祥日」と確認できます。
漢字ばかりで何と書かれているのか意味がわかりにくいです。ひとつひとつ意味を調べてみます。
「奉請(ぶじょう)」は導入の語で”仏様を招く”という意味*1。
「現當二世悉地成就(げんとうにせいしっじじょうじゅ)」は、”この世とあの世、二世にわたって仏道を極めることを願う”という意味に解釈できます*2*3。
貞享(じょうきょう)五年は、西暦1688年、干支は戊辰(つちのえたつ)です。
こちらのPDF『八千代の万治の三猿三面彫り庚申塔と同型塔の広がり(蕨 由美著)』を参照させていただくと、"現世・来世にわたって仏道を極める"とか”人生を幸せに過ごせるように”などの願いが、他地域の庚申塔にも高頻度で刻まれていることがわかります。