『北九州まちかど探検-八幡東区前田地区の史跡等-』を参照すると、八幡東区の祇園(ぎおん)という地区に暗渠が流れていることが紹介されています。暗渠の入口は、祇園原町(ぎおんばらまち)で、地点は以下の通りです。
場所:福岡県北九州市八幡東区祇園原町
座標値:33.859413,130.788753
地形図を確認すると、西台良町を細い川が北側へむかってながれていることがわかります。そして先に示した座標値地点で川が消失しています。川が消失している北側の部分は、2022年現在「さくら通り(前田花尾町一号線)」という名称がついた広い道路となっています。
今昔マップで、さくら通り付近の様子を確認してみます。
下の地形図は「さくら通り」にあたる箇所を青く着色しています。昭和25(1950)年ごろまで、さくら通りは整備された川であったことがわかります。川の先…北側…には八幡製鉄所があります。流れてきた水は製鉄所の工業用水として使用されていたのかもしれません。あるいは現在も使用されているのかもしれません。
現在の、暗渠入口ぶぶんの様子は以下のとおりです。
座標値:33.859413,130.788753
暗渠入口から、すぐ北側は水の流れていない人工の小川となっています。小川の名前は「せせらぎ川」と命名されているようです。
せせらぎ川のところどころに空気穴のようなものがあいています。この川の下に暗渠が通っていると考えられます。必要なときにだけ、「せせらぎ川」に水を流すのかもしれません。
「せせらぎ川」は以下の地点で消失して、そのすぐ北側には「祇園」交差点があります。交差点の北側には「さくら通り」がさらに北側へと伸びています。
座標値:33.861167,130.789299
↑「せせらぎ川」が暗渠と合流しているのか?「せせらぎ川」の延長線上には「さくら通り」が伸びている
↓こちらが「さくら通り」です。この下に暗渠が走っていると想像されます。
現在、暗渠となっている川は、むかし「平野川」と呼ばれていました。平野は地名からきたもので、昔の地図にも、現在の地図にも「平野」という地名は残っています。
この平野川に架けられていた「前田橋」の親柱部分が北九州市立花尾小学校の校庭に残されています。
場所:福岡県北九州市八幡東区祇園
座標値:33.864480,130.788291