「古いお寺跡に残されたちいさな石造り仁王像」というタイトルで、前回、ご紹介した記事。この記事では渓口庵(けいこうあん)というお寺跡へ行きました。行った目的は仁王像に会うためでしたが、たまたま庚申塔(こうしんとう)も見つけることができました。仁王像があった場所から、さらに林道に沿って数m南下した場所に庚申塔は祀られています。
林道に沿って歩いていると、右側の斜面の林のなかに庚申塔をみつけることができました。庚申塔を近くでみるためには、小さな樹々をかきわけ、斜面をよじ登る必要がありました。
場所:大分県豊後高田市夷
座標値:33.623239,131.542559
一面六臂(いちめんろっぴ:1つの顔に6つの腕)の青面金剛が主尊。二童子、二鶏、三猿が刻まれます。あまり見慣れない像が青面金剛の足元正面に刻まれています。その像は、からだの正面で剣のようなものを両手で把持し、地に剣をつきたてているようにみえます。
この像はなんなのでしょう?小林幸弘氏の運営する「国東半島の庚申塔」を参考にさせていただきます。 「香々地町庚申塔所在地一覧」の25番に、この庚申塔が紹介されています。それによると剣を把持した像は夜叉のようです。
また、わたしは確認できなかったのですが、庚申塔には建立年月も刻まれていたようで、宝永七年…つまり西暦1710年に造られたそうです。思わぬ出会いでした。