福岡県の南側には、足を運ぶ機会があまりありません。以前、福岡県の南東部にある「うきは市」を通りかかったとき、「うきは市立浮羽歴史民俗資料館」という看板がかかった建物を見かけることがありました。
建物が立派であったために、うきは市の史跡に関する史料もそろえられているのではないかと思い、行ってみることにしました。結果、たくさんの史料がそろえられており、そのなかでも史跡の場所や種類を一覧にしてくれているこちらの史料を購入しました↓
『浮羽古文化財 保存會誌 宇枳波 第一號 復刻版 -古文化財一覧-』(¥1000)
昭和27年に一版が発行されて、平成14年に復刻されたようです。その史料のなかに「サエノ神」という文字がところどころに見ることができます。サエノ神…つまり幸神、あるいは塞ノ神という字を書くのでしょう。よってこれらが示されている場所に行けば、道祖神であったり、もしかしたら庚申塔としての役割をもつ石塔を見つけることができるかもしれません。
その中のひとつに古川村の江文神社という場所にあるサエノ神が紹介されていました(参照P13)。同書の説明文には…
一石に陰陽を表示してゐる。
とのみ紹介されていました。”陰陽を表示”とはどんなことが刻まれているのでしょうか。実際に行ってみることにしました。
目的地となった江文神社がこちらです↓
座標値:33.352709,130.798196
境内には車が2~3台停めることができるスペースがあったので、こちらに駐車させていただきました。鳥居をくぐり、拝殿を正面にして右側に遊具があり、その遊具のすぐそばに巨大な石塔が祀られていました↓
こちらの庚申尊天の石塔には裏側にも側面にも、建立年月などの記銘は確認できませんでした。大きさは見上げるほどであったために、台座を含んだら庚申塔の鷹さは2mあまりあるのではないかと考えられます。
庚申塔に向かってすぐ右側に、庚申塔の陰に隠れるようにして↓こちらの石塔が祀られていました。
↑おそらく「水天神」と刻まれていると思います。
この石塔の裏側にも文字らしきものが確認できますが、判読することはできませんでした。