地域によっては、その地区の教育委員会なんかが、庚申塔の分布図をまとめて史料として出版してくれている地域があります。でもそういった地域は珍しく、ぼくは庚申塔を探すときは、ほとんどが個人のブログを見て手掛かりをみつけたり、いきあたりばったりで神社やお寺などを探し回って、庚申塔をみつけています。
福岡県の庚申塔は、神社に集められていることが多いようなので、最近では地形図を眺めて、「あっ、ここの神社は庚申塔がありそうだな」と、目ぼしをつけていくことにしています。そんなやりかたで、今回の庚申塔はみつけました。
場所:福岡県中間市中底井野
地図:Google マップ
中間市にある八剣(やつるぎ)神社の境内に祀られる庚申塔です。拝殿にむかって左側。「八幡宮」と書かれた小さな鳥居の先に、小さな社(やしろ)。
境内には、夕日がやわらかく差し込んできています。
周囲は田園が広がっていました。
小さな八幡宮と書かれた社(やしろ)のすぐそばに、クスノキとおぼしき立派な樹がたっています。その樹の根元に庚申塔が二基祀られていました。
↓どちらの庚申塔にも「庚申尊天」と刻まれています。
向かって右側の庚申塔には「寛政?辰 四月」と刻印。?の部分は読み取れませんでした。でも調べてみると、寛政という時代では”辰”がつく年は、「丙辰」しかありませんでした。寛政の丙辰…つまり寛政8年…つまり西暦1796年。
もうひとつの左側の庚申塔の成立年月日は、読み取ることができませんでした。
境内の木々からはセミの声がキンキンひびいてきます。歩いていると、ときどき、ジジジ…と逃げていくクマゼミが見られます。この庚申塔にもセミの抜け殻がくっついていました。