地図を眺めるだけでもわくわくする。
慣れてる地域の地形図をみていても、「あ、こんなとこに記念碑がある」「いつも見てる川は、こんなふうに流れてきてるんだ。あ、あっちの川とつながってるんだ」など、新しい発見をすることが、たびたびある。
「こんなところに神社があるけど、実際いってみたらどんな景色なんだろ」とか想像がかきたてられる。
いつもは、とぎれとぎれで景色をみているけど、地形図をみてみると、とぎれとぎれの風景がつながる。一歩ひいて空から全体をみわたせる。ちぎれてた情報がつながる快感が味わえる。
これは大分県豊後高田市にある中真玉という地区の地形図。
ちょっと大きい縮尺でみてみると、国東半島の北西部分にあたる。
真玉(またま)といえば、潮が引くと遠浅の海に残った海水に夕日が写りこみ、太陽が幾重にもみえて、幻想的な夕景がみれる場所として有名。国道213号線から、たくさんの人達がこの幻想的な景色を楽しむ姿をみかける。
地形図を眺めていると↓下の赤丸部分から、海岸を展望できるんじゃないかと思って足を運んでみました。等高線が密になっていて、平地よりも10m程度高い位置というのが読み取れます。
↓それにすぐ海側に崖の記号があり、樹木など邪魔な障害物がなくて、見通しがききそうです。
実際、この赤丸箇所からの展望がこちら↓
海岸沿いの道路から眺める砂浜とは、また違った趣き。夕日に向かいカメラを向けている人達の姿が見えます。
この高台は国道213号線の上におおいかぶさってて台地状になっている場所。一番のピークは45.7m。この台地にはスイカ畑とか、果樹園が広がっている。
--------
上の写真は、地形図でみると青丸部分からみたもの。農道が電波塔のあるピークに向かってのびている。写真をとった場所からピークまでは20数mのゆるやかな坂を登っていく。電波塔の足元には果樹園が広がっている。
v字の畑記号は、この場所ではスイカ畑。もう収穫が終わって、売り物にならない小さなスイカが砂地に転がっている。
↓下地図の黄緑丸の場所を通ってみた。建物が地形図上ではあるよう。
でも実際には建物はなくて↓、その跡が広場として残っている。この場所には地図上では道はないように描かれているけど、車が通れるほどの舗装された道路がある。時間の流れとともに地図と実際が違ってきている。
そして、下図の青×部分からは少しずつ展望が開けてくる。
ちょうど海に向かって、ゆるやかな下り坂になっているので、いい景色だけど、手前の草で展望がさえぎられるのが残念。
↓青四角部分に地図上では分岐があり、赤丸の展望台まで道が続いている。
↓分岐部分にはこんな、石造りの立看板がある。赤丸までの道は、実際には草ぼうぼうの悪路になっていた。
草をかきわけて赤丸部分まで行ってみると、石造りの看板どおりに平松茂男さんの歌碑があった。
この歌碑の前から、真玉海岸を見渡すとこんな感じ。
地形図がなければ、単なる田園風景。でも地形図を片手に散策してみると、予想以上にその土地の情報を見つけることができる。知らない土地でも地図があれば、「ここへは道が続いてる」という確信がもてて、けっこうズイズイと進んでいける。そんな爽快感も味わえる。
大分県の久住山とか由布岳は、たくさんの人達が登っているので、登山道も整備されてるし、道にまようことはほとんどない。だから地図なんて、登山にもっていってなかった。でもぴゅーっと頂上をめざすのとは別に、地形図を持って、ゆっくりじっくり地形読みを楽しみながらの登山もしてみたいと思う。