介護現場で働いていると、人(顧客)を相手にして、人(同僚)と協力して仕事をすすめていかなくてはいけません。そのなかでは、どうしても人どうしの摩擦はさけられません。摩擦がおきたとき、どうやって自分のメンタルを守っていくのか?
仕事のなかで、気づいたことをメモしてゆき、それを体系的にまとめてみました。
1.基本的な考え方
他のひとの、理不尽な言動を、そのひとの悪意ではなくて、「故障した機械」や「突風」のように、無駄な感情労働から解放される「自然現象」として認識する。
共感するエネルギーは無限にあるのではなく、有限であることを認識する。「共感するスイッチ」を意識的にOFFにする技術を習得する。
「相手にこうしてほしい」という期待を捨てることで、幻想による苦しみを断絶する。
2.境界線の構築
自分と、他の人との責任範囲をはっきりさせ、自分に境界に侵入させないようにする「ガードレール」を設置する。
2‐1.物理的・心理的距離の確保
相手にとって「つまらない岩」になりきり、相手のターゲットからハズレる。感情の表出を平板化させ、フラットなトーンで即座に相手からの要求を遮断する。
2‐2.「冷徹な仮面」の運用
「感情的な話は通じない人」という人間を演じる。
3.構造分析によって感情を落ち着かせる
わきあがった感情を、言語化・図式化して「データ」に変換すし、客観視する。
3‐1.「バグ」の構造を解明する
相手の理不尽な行動や不可解な行動を、発達障害的な特性やパーソナリティ障害の観点から構造分析することで「しかたがない」という客観的な諦念境地へと移行させる。
3‐2.因果と相関の分離
「相手が怒っている」ことと、「自分の責任」と切り離す。そして、ほんとうは存在しない因果関係を、存在するかのように感じる感覚にまどわされないようにする。
3‐3.言語化による外部化
もやもやを言語化して、ルール化することで、主観的な「悩み」を客観的な「システムの課題」とへ昇華させる。

4.合理的な対応をおこなう
具体的な状況に応じて、効果的な方法を以下のなかから選んで実行する。
4‐1.報酬の遮断
相手の「嫌がらせ」に対して、こちらが反応を返さないことで、相手に「嫌がらせをしても報酬が得られない」と学習させる。
4‐2.「仕組み化」による解決
問題を「個人」ではなく、「現象」として捉えて、そのような「現象」に対しての「共通の対応マニュアル」をつくることで、精神的負荷を軽くする。
4‐3.人とのつながりを味方につける
個人の力で対抗せず、状況を周囲の人と共有し、同僚を味方につけることで孤立を防ぐ。
5.自分の「聖域」を守る
周囲の雑音を完全に遮断して、自分の心身機能を回復させるための環境設計を行なう。
5‐1.空白の時間をつくり「不在」という贅沢を味わう
趣味(読書など)や、何もしない時間をとおして、創造性を回復させる。ほかの人の目や評価という「雑音」を排除する。
5‐2.身体性の回復
頭の中で、嫌なことがループすることから抜け出すために、ジョギングやフィールドレコーディングを通して、現実の感覚に集中する。