日々の”楽しい”をみつけるブログ

福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

境界の設計と静寂のシステム

環境の無秩序や他者の不調。人間関係の摩擦が心身を蝕む。あたまのなかのシュミレーションがおわりなくおこなわれて休みにくくなる。精神的な静寂がほしい。

 

沼田夫人が去って何週間かすると、茶の間と門の郵便箱との間を往復する姉の癖がふたたび始まった。何を待ってるのと理以子は訊ねはしなかった。それが何であるかがほぼ解りはじめていた。姉の待っているそのものが姉のところへくることを理以子はむしろ自分のために待った。いや、自分が待っているらしいものを姉のために待った。それはなにか有り得ない、青空のようなものかもしれなかった。(『彼方の水音』高橋たか子著,Kindle位置番号: 1,179)

 

「青空のようなもの」…他者という予測不可能な変数が完全に排除された、禅の余白のような絶対的秩序のようなもの。郵便箱を何度も覗き込む姉のように、「いつかこの煩わしさが劇的にリセットされ、静寂が外部から与えられるのではないか」と期待してしまう。事実として、他者が介在し続ける限り、待機しているだけでこの状態が自動的に終わることないとわかっている。これを終わらせるには、感情の終息を待つのではなく、他者の課題と自分の領域の間に壁をつくること。