人類の存在は、進化の歴史における必然ではなく、途方もない幸運の結果である。
書籍『ワンダフル・ライフ』スティーヴン・ジェイ・グールド著
(1章 期待の図像を解読する.生命テープのリプレイ―決定的な実験)。
バージェス頁岩の奇怪な生き物たち…オパビニア、ハルキゲニアなど…は洗練へと向かう梯子のステップではなく、ただそこに在り、そして消えていった「あり得たかもしれない」形の生き物であった。
圧倒的な無秩序。「もし歴史をバージェス時代まで巻き戻し、もう一度「再生」ボタンを押したとしても、二度と同じ結果にはならない」。進化は、初期のわずかな変動が後の巨大な差異を生む性質を持っていて、人間という知性が再び現れる確率は「圧倒的に小さい」。
進化は、完全に予測可能な「決定論」でもなければ、単なる「デタラメなランダム」でもない。「偶然性」。生存者は「優れたデザイン」を持っていたからではなく、たまたまその時の環境変化や災厄に適合する「幸運」を持っていただけかもしれない。
▼「進化の偶然性(歴史の偶発性)」を表した系統樹

約5億年前のカンブリア爆発により、バージェス頁岩の化石に見られるような、非常に多様で奇妙な姿をした生物(アノマロカリスやオパビニアなど)が一気に誕生した。その後、環境の変化などの「間引き(大量絶滅)」によって、多様な生物の系統の多くが途絶えてしまった。
「人間は進化の頂点であり、現れるべくして現れた」のではない。ヒトの存在は必然の報酬ではなく、「たまたま絶滅しなかった」という歴史の奇跡の上に成り立っている。