場所:福岡県遠賀郡水巻町頃末北
座標値:33.854402,130.692399
頃末(ころすえ)伊豆神社の鳥居をくぐってすぐ左側、境内に石塔群(4基)がまつられています。そのうち一基は、猿田彦命と刻まれています。また、もう一基には、保食神(うけもちのかみ)と刻まれています。
猿田彦命ときざまれる庚申塔には、建立年月などの銘は確認できませんでした。
もう一基、保食神(うけもちのかみ)と刻まれた石塔です。
保食神は、神道の神々の中でも、特に食物と豊穣をつかさどる重要な神格として位置づけられています。保食神は、日本の古代宗教観および農耕文化と深く結びついており、生命維持に不可欠な糧の起源を説明する神話において中心的な役割を担っています 。
保食神は、日本神話において食物(しょくもつ)、特に五穀(ごこく)を司る神として広く認識されています 。宇気母智命(うけもちのみこと)とも表記されるこの神は 、自然の恵みと人々の生活が密接に結びついていた古代社会において、食料の豊かさをもたらし、飢饉を避ける力を持つ存在として崇拝されてきました 。
その神名は、「うけ(保)」が食物や穀物を意味する古語「け」あるいは「うか」(例えば、宇迦之御魂神の「うか」や豊受大神の「うけ」と同根)に由来し、「もち(食)」は「持つ」「保つ」を意味すると解釈されています 。そのため、「保食神」の名は文字通り「食物を保有する神」または「食物を保つ神」を意味し、その神能を直接的に表しています。神話の内容や、しばしば同一視される大宜都比売神(おおげつひめ)との比較から、保食神は一般に女神と考えられています 。