首里金城町石畳道の場所:沖縄県那覇市首里金城町
おおよその座標値:26.214729,127.714567
首里金城町石畳道は、琉球王国時代をしのばせる貴重な史跡です。16世紀、首里城から那覇港や沖縄本島南部へと続く主要道路「真珠道(まだまみち)」の一部としてつくられました。
石畳は、20~30cmほどの琉球石灰岩を組み合わせた「乱れ敷き」と呼ばれる手法で、当時の技術の高さが感じられます。つくられた当時は、総延長約10kmにも及んだ真珠道ですが、現在では金城大通りから金城橋へ下る約300mの区間が石畳道として残っています。
この石畳道周辺には、上ヌ東門ガー(ウィヌアガリジョウガー)、下ヌ東門ガー(シチャヌアガリジョウガー)、金城大樋川(カナグシクウフフィージャー)、新垣ヌ力一(アラカチヌカー)といった史跡が点在しています。これらは、いずれも琉球王国時代の人々の生活に欠かせない水源であり、生活用水や農業用水として利用されていました。
これらの史跡は、首里金城町石畳道の周辺に位置しています。
上ヌ東門ガー(座標値:26.214628,127.715882)
下ヌ東門ガー(座標値:26.214329,127.715196)
金城大樋川(座標値:26.215840,127.714795)
新垣ヌ力一(座標値:26.215040,127.714678)
▼金城大樋川(カナグシクウフフィージャー)
▼新垣ヌカー(アラカチヌカー)
これらの水源は、主に生活用水や農業用水として利用するために作られました。琉球王国時代、水は貴重な資源であり、人々は水源を大切に守りながら生活していました。
首里金城町石畳道周辺に水が湧き出ている理由は、主に地形と地質に関係しています。
地形
首里城は丘陵地に位置し、周辺は緩やかな斜面になっています。雨が降ると、この斜面に沿って地下水が流れ、低い場所に湧き出てきます。石畳道周辺は、ちょうどそのような水が集まりやすい地形になっていると考えられます。
参照:PDF.沖縄島・首里城と周辺地域の古井戸.角田清美
地質
沖縄の地質は、主に琉球石灰岩でできています。琉球石灰岩は、水を通しやすい性質があるため、雨水は地中に浸透しやすく、地下水となりやすいのです。さらに、石灰岩層には、水を通しにくい粘土層が挟まっている場合があります。粘土層に遮られた地下水は、地表近くまで上昇し、湧き水となることがあります。
湧き水のタイプ
首里金城町石畳道周辺の湧き水は、主に以下の2つのタイプに分けられます。
崖線型湧水: 地下水が崖の斜面から湧き出ているもの。上ヌ東門ガー、下ヌ東門ガー、金城大樋川などがこのタイプに該当します。
谷底型湧水: 谷底に水が湧き出ているもの。新垣ヌ力一がこのタイプに該当すると考えられます。