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福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

金山川の昔の流れを訪問する 福岡県北九州市八幡西区則松

福岡県北九州市 八幡西区の西側をながれる金山川(きんざんがわ)。源流部は、おなじく八幡西区の上上津役(かみこうじゃく)という地区にあります。

 

参照:金山川(きんざんがわ)源流を探訪する

金山川源流部

場所:福岡県北九州市八幡西区-上上津役(かみこうじゃく)

座標値:33.8237824,130.7731905

 

金山川の地図をながめていると、川のそばに不自然な地形の水路をみることができます。下の地形図をご参照ください。2枚目、色を白黒にした地形図に「昔の流れ」と示した箇所です。本流の西側に数字の「3」のような形の副流があります。

 

今昔マップで大正11年(1922年)ごろの、同じ場所の地形図をみてみます。2022年現在とは異なり、金山川は大きく蛇行しています。そして川の両岸には田園がひろがっています。ずいぶん今の景色とはちがっていたことが想像されます。

金山川は、大きく蛇行する本流部を修正され、まっすぐな川が人工的に掘られたようです。ただ、この箇所だけ、なぜか昔の流れ部分はそのまま残されているようです。

 

金山川副流部

場所:北九州市八幡西区 則松(のりまつ)

座標値:33.856420,130.723035

 

この副流部は現在どんな感じになっているのか、気になったので訪ねてみました。以下、地形図にカメラマークと矢印を示しています。「この場所でこちら向きに写真をと撮った」ということを示しています。

副流部のはじまりの写真です。意外なことに、本流とは直接、川はつながっていませんでした。堤防で完全に本流と副流部は遮断されています。

水は、ポンプでくみあげているのでしょうか。このような箇所から水があふれだしてきていました。

 

副流の中間部あたりの写真です↓ 川の両岸は綺麗に舗装されており散歩ができる道がつくられたり、樹なども植えられていて美しくされてます。昔の流れを、埋めずにあえて残したのは、このような景観を残す意図があったのかもしれません。

 

副流部が、ふたたび本流部へと合流する地点です。

ここもまた本流と副流は直接つながっていません。堤防で遮られています。水が流れこんで、本流部へと注いでいる様子は堤防部には見当たりません。では副流部の水はどこへいっているのでしょうか?

周囲をさがしてみると↓、副流部の水が流れ込んでいる用水路がありました。ここから暗渠となっているようです。

地形図では↓下の箇所です。ここから、そのまま本流部へと水は運ばれているのか、また別の場所へと移動されているのかはわかりません。ただ、目視できるかぎりでは本流側の堤防部には排水口らしきものはみあたりませんでした。

本流側の堤防に、排水口らしきものがみられたのは、もうすこし下流にいった場所です。もしかしたら、副流の水と、町のなかをながれる他の用水路とを合流させ、この排水路から、金山川本流へと流しているのかもしれません。複数個所、堤防に穴をあけるよりも、この方法のほうが機能面でメリットがあるのでしょうか。

金山川の、昔ながらの流れが使われていたのは、少なくとも昭和59年(1984年)あたりまでです。今昔マップでは、1998年には金山川は直線型となっています。

↓こちらが金山川本流の写真です。則松(のりまつ)に小さい頃住まれていた80歳代のかたによると、金山川では魚などを取り、よく川遊びをしていたそうです。