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福岡県在住。各地の史跡巡りが好きで、九州北部を中心にNikon D750をメイン機として史跡を撮っています。詳しい撮影場所は各記事に座標値として載せていますので、座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで撮影場所が表示されます。参考にされてください。

石炭採掘で犠牲となった小鳥を弔う『小鳥塚』 福岡県飯塚市上三緒

場所:福岡県飯塚市 上三緒(かみみお)

座標値:33.620872,130.716297

 

飯塚市の上三緒(かみみお)という地区。綺麗な住宅街のなかに、鳥の形をした塚が建てられています。小鳥塚です。

小鳥を供養する、とても珍しい塚ですが、どうして小鳥を供養しているのか調べてみると、筑豊地方をはじめとする炭坑産業が盛んだった地区特有の歴史をみることができました。

 

小鳥塚の土台部分に設置されている、小鳥塚の案内板に以下のような説明がなされています。

 

この地に石炭産業が栄えたころ、多くの小鳥たちがガス予知のため坑内に持ち込まれ、災害を未然に防止しながら可憐な生命を絶っていった。


ここに小鳥たちの功績を讃えるとともにその霊を慰さめ、また石炭の果たした使命を永久に顕彰するため、筑豊をはじめ全国有志の浄財を得て、この碑を建立する。


昭和五十六年辛酉五月十日
筑豊炭鉱遺跡研究会建之

 

 

むかし、『サイレントヒル』という映画で、有毒ガスがでていないか探知させるため鉱員がカナリアの入っている鳥かごを持っているシーンを思い出しました。

 

 

炭坑災害での炭塵ガス爆発事故をふせぐために、たくさんの小鳥が炭坑内に持ち込まれました。昭和10年頃までは、一酸化炭素ガスを検知するための機器は開発されていなかったそうです。そのため小鳥が一酸化炭素ガスを感知するために炭坑内へと持ち込まれました。


小鳥は、いちはやく一酸化炭素ガスなどの有毒ガスを感知し、その体調に変調をきたします。

 

ガスや炭塵に非常に敏感な習性を持つ小鳥たちは、坑内にガスが満ち溢れると目に見えて弱り、止まり木につかまる力を失って止まり木から落ちるようになる。それを見ていち早くガスの危険性を察知し炭塵ガス爆発を防止してきた。


ちなみに、小鳥が1時間で苦しみはじめると、人間の場合労働すれば1時間で倒れ、小鳥が30秒で止まり木から落ちると、人間は30分で死亡すると言われている。 (穂波町教育委員会発行「穂波町ものがたり・炭鉱編」)

 

参照:https://hasiru.net/~maekawa/mine/aso/kotori.html

 

同サイトの情報によると、昭和56年に建てられた、この小鳥塚はもともと目白塚と呼ばれていたようで、坑内に鉱員とともにはいっていた小鳥がメジロであったことがわかります参照

 

炭坑での事故が頻繁におこっていた、と読み取れる文章が『穂波町ものがたり』P.182、183にも紹介されています。その箇所を抜粋すると以下のようになります。

 

ある炭坑でガス爆発や落盤などで死傷事故がおこれば、多くの従業員が他の炭坑へ移っていく。会社は早急に従業員を補充しなければならない。明治末期の穂波村の小学校での悩みは児童の異動が激しいことで、当時の記録に「各炭坑ノ出入リ一定セスタメニ一定ノ生徒維持スル能(あた)ハス」とあり、児童の学習や生活指導上で大きな問題だった。

この小鳥塚のすぐとなりに金網に囲われた箇所があります。あとで調べてわかったのですが、この場所が「雁石抗の入口」だったそうです。

こちらのサイトを拝読すると、坑口跡のなかには水が溜まっているようです。地盤沈下を防ぐために水が溜められたのでしょうか。