福津市上西郷の大森宮に二基の庚申塔がまつられています。一基は拝殿の左側、もう一基は狛犬のすぐそばにあります。
碑面 | 碑面(建立年) |
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庚申幸神 | 宝永五戊子歳 上西江邑 正月吉日 講中九人 |
建立年 | 干支 | 干支読み方 |
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1708 | 戊子 | つちのえね |
場所 | 座標値 |
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福岡県福津市上西郷 | 33.7547417,130.5073395 |
拝殿の左側にまつられる庚申塔の建立年(元号)は、みなれない文字が刻まれています。結果的に「宝永」と刻まれていることがわかりました。刻まれている文字には「うかんむり」が確認できました。「うかんむり」がつかわれる「□永」という文字は1600年から1900年の間に、寛永・宝永・安永・嘉永の四つです。この四つの元号のなかで五年の干支が「戊子」なのは宝永のみです。
「上西江邑」と刻まれる文字は、現在でいう「上西郷村」と同義だと考えられます。
もう一基の庚申塔は狛犬のすぐそばにまつられています。
碑面 | 碑面(建立年) |
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謹請 猿田彦命 | 享保六□ 正月吉日 |
建立年 | 干支 | 干支読み方 |
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1721 | 辛丑 | かのとうし |
場所 | 座標値 |
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福岡県福津市上西郷 | 33.754756,130.507488 |
こちらの庚申塔には享保という文字が、かすかにみえますが、それ以下はほとんど判別できません。かすかに六という文字がきざまれているようなので、享保六年(1721年)の建立と判断しました。