図書館は史跡めぐりの資料あつめをする際には、とても重宝します。郷土史料をあつかっている書棚で、本を探すときは気分が高揚します。福岡県の宗像大社ちかくにある宗像市民図書館 深田分館にたちよった際、宗像(むなかた)の史跡についてなにか興味がわく資料はないかと『宗像市史』をしらべてみました。
『宗像市史 通史編第4巻 (美術と建築 民俗)』P.591にて、「白髭神社」の境内に庚申塔が二基まつられている、という情報が掲載されていました。
2021年5月2日の日曜日。午後3時半をまわったところでした。その日の最後の史跡巡りとして白髭神社へといくことにしました。
白髭神社は畑と山に囲まれた場所にある神社です。神社のすぐとなりには納骨堂があり、境内への道は細い農道いっぽんのみです。納骨堂の前に広場があるため、ここに車を停めることができます。
白髭神社の場所:福岡県宗像市平等寺
白髭神社鳥居の座標値:33.821911,130.570501
この日は雨がふったりやんだりの天気で、昼すぎには青空がみえるほど回復していたのですが、夕方ごろにはまた雨がぽつりぽつりとふりはじめていました。
神社北東部の平等寺という地区に集落があり、この集落で利用されていると思われる納骨堂が、神社のとなりに建てられています。神社の前には、「村社 白髭神社」と刻まれた石碑があります。このあたりの方々の神社ということがひしひしと感じられ、すみませんという感じで境内に足をふみいれます。
上の写真は拝殿で、拝殿の裏側に本殿がたてられていました。拝殿・本殿にむかって右側に摂社の祠がたてられており、その一番奥に二基の庚申塔がまつられています。
場所:福岡県宗像市平等寺
座標値:33.821871,130.570233
二基の庚申塔にむかって右側の庚申塔には、はっきりと文字がのこされているため、まずはこちらからみてゆきます。
庚申塔正面中央に「拝請 庚申尊天」、その右となりに「元禄七年」、左となりに「三月二十二日」と刻まれています。元禄七年は1694年で、その年の干支は甲戌(きのえいぬ)です。「拝請 庚申尊天」の「拝請(はいしょう)」は「おがんで請うこと。つつしんでお願いすること」という意味をもつということです参照。
上記の庚申塔の、左となりにまつられている庚申塔は風化がはげしく、表面の文字はもう確認するこができません。
二基の庚申塔の左右裏側をみても、文字はのこされていません。
宗像市史に掲載されていた情報どおり、2021年現在も庚申塔が神社境内にまつられていることに、うれしさを感じました。
傘をさすほどではなかったものの、雨脚がつよくなりはじめていたので、庚申塔に参拝して早々に神社をあとにしました。
みつけた庚申塔をマイマップにまとめています。