場所:福岡県北九州市若松区大字小竹
座標値:33.913271,130.747368
北九州市若松区には、標高は低いけれども山々がつらなり、その山のなかに昔から残されている神社や石仏などをみつけることができます。若松区の小竹という地区には白山神社があります。白山神社は標高171mの、丘のような山である「小嶽山」のふもとに鎮座します。その白山神社がこちらです↓
なんどか参拝にいきましたが、雑草がきれいにかられており、地元のかたによる手入れがいきとどいている印象をうけました。この白山神社本殿の左側に、小嶽山へとつづく参道をみることができます。参道前には小さな鳥居もたっています↓
以前、白山神社へおとずれたとき、この鳥居の向こう側は、雑草が繁茂し、クモの巣もたくさんはっていました。そのために鳥居の先へはいくことができませんでした。やぶ蚊やダニ、クモの巣対策を万全にして、2020年10月3日(土)に、意を決していくことにしました。
どうして、この鳥居の先へいきたかったのかというと、白山神社について『北九州市史(民俗)』P539、P.627に、詳細な情報が記されていたからです。その内容を抜粋します。
女人禁制の小嶽山
若松区小竹(おだけ)の小嶽山にある白山神社は、小嶽山が神体山として崇められているが、昔は女人禁制の山だった。昔、小竹の女性が、この禁を破って山に入って薪を取っていたところ「機織り(はたおり)のヒ」の音が聞こえてきた。不思議に思いながらも薪取りを続けているうちに、目がくらんで倒れ、発熱して死んでしまったという。
また、別の女性が、やはり薪取りに山中に入ると「ヒーッコウ、ヒーッコウ」という声が聞こえてきたが、この女性も目がくらんで倒れ、発熱して死んだという伝承もある(P.539)
若松区小竹では、白山神社で四月十八日と十月十八日に、大祭が行われ、他に中祭(夏祭)、小祭(月次祭)、臨時祭(祈願祭など)がある。この祭りに用いる幟(のぼり)は氏子が、注連縄(しめなわ)は古来決まった地区の氏子によって作られた。神への供物は米・酒・魚・海藻・果物・塩などで、大祭のときは三方十五台、中祭には十一台、小祭には七台ぐらいのものを供える。
昔は甘酒も供えていたが、最近は供えなくなった。祭りは祓(はらい)・開扉・献饌(けんせん)・祝詞(のりと)・玉串(たまぐし)・撤饌(てっせん)・閉扉と儀式があり、のちに直会(なおらい)に入る。この直会は大祭のときだけで、他の中祭、小祭はお神酒を頂くだけである。
この祭りにも、多少の変化がある。明治末まで行われていた白山神社の脇ノ浦海岸への御神幸は、神輿(みこし)の担ぎ手である青年の減少により行われなくなった。春と夏のお籠りも、昔は弁当と持参して家族そろって参拝していたが、最近は各戸から代表一人が参拝すると極めて簡略化された(P.627)
白山神社のある小嶽山自体が神体山であることや、その山中では不可思議なことがおこったということ、また、昔は神事がさかんにおこなわれていたということなどを知りました。小嶽山山頂にある白山神社の元宮はどんな場所なのか知りたく、いってみたいとおもったしだいです。
ながくなったので、元宮までの道中の様子は次回の記事でご紹介します。