日々の”楽しい”をみつけるブログ

福岡県在住。各地の史跡巡りが好きで、九州北部を中心にNikon D750をメイン機として史跡を撮っています。詳しい撮影場所は各記事に座標値として載せていますので、座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで撮影場所が表示されます。参考にされてください。

天念寺 修正鬼会 2020年 ④/④ ~災払鬼と荒鬼の登場~ 大分県豊後高田市長岩屋

国東半島に1000年前から伝わる儀式である修正鬼会(しゅじょうおにえ)が、2020年1月31日(金)に開催されました。場所は大分県豊後高田市長岩屋にある天念寺(てんねんじ)講堂です。
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場所:大分県豊後高田市長岩屋

座標値:33.578583,131.540714

 

以下の3記事に引き続き、今回の記事「~災払鬼と荒鬼の登場~」をご紹介します。

 

天念寺 修正鬼会 2020年 ①/④~身を清める垢離(こうり)取り~

天念寺 修正鬼会 2020年 ②/④~大松明を直立させるタイアゲ~

天念寺 修正鬼会 2020年 ③/④~夜の勤行と立役の一部~

 

 今回の記事で最後となります。 

修正鬼会のスケジュール 災払鬼 荒鬼の登場

鈴鬼の舞により招かれて、災払鬼(さやはらいおに;赤鬼)と荒鬼(黒鬼)が、ホンカイシャクに背負われて登場します。登場した時点では鬼役の僧侶は面をつけておらず、本堂の前にきて、ソエカイシャクにより持参された鬼面をつけます。

天念寺の修正鬼会 災払鬼の登場

災払鬼の登場

災払鬼(赤鬼)は法蓮の化身といわれます。左手にタイマツ、右手に斧を把持しています。災払鬼は背中に鈴をつけ、上体・腕・脚をそれぞれ12カ所ずつ麻縄でクビられています。足元は、白足袋の上にワラジをはいています。

 

講堂中央の鬼がカイシャクにより中廊下に招かれます。中廊下に招かれた鬼はカイシャクとともに「ホーレンショーヨ、ソリャオンニワへ(法蓮称揚、それ鬼庭へ)」の掛け声とともに六調子で飛び廻ります。

天念寺の修正鬼会 災払鬼とカイシャクが乱舞する

災払鬼とカイシャクが乱舞する

堂内は火の粉が飛び交い騒然となります。

 

ここで講堂内の見取り図を示します。災払鬼は、中央の講堂から右上の柱の間を通って中廊下へと招かれ、中廊下をカイシャクとともに時計回りに乱舞します。

天念寺講堂の見取り図

天念寺講堂の見取り図

荒鬼(黒鬼)は、六郷満山開基”仁聞”の化身といわれます。また不動明王の化現したものともされます。災払鬼と同様に、カイシャクとともに中廊下の三方を乱舞します。松明をうちふり「ホーレンショーヨ、ソリャオンニワへ」を連呼。これを3周繰り返すので「三々九度の鬼走り」と呼びます。 

天念寺の修正鬼会 荒鬼 黒鬼

中廊下を通る荒鬼

 鬼とカイシャクが乱舞するとき、タイマツも振り回されるので、周囲には火の粉が飛び散ります。このときビニル製の燃えやすい服を着ていると、火の粉が服に燃え移ってしまいます。

天念寺の修正鬼会 飛び散る火の粉

飛び散る火の粉

ダウンジャケットを着なければ、かなり冷え込む講堂内です。そのため、薄めのダウンジャケットを着た上から、燃えにくい服を羽織ると、ダウンジャケットが燃えなくてすみます。また帽子かニット帽をかぶっていると頭を火の粉から守れる上に、意外に頭を覆うとずいぶん身体が温かいことが実感されます。何回か修正鬼会に参加して得た知識です。
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2鬼の登場が終わると「鬼の目まき」が行なわれます。鬼の目とは餅のことで、直径15㎝くらいの餅で、ツルシバとともに竹の井げたに挟んで、宝前に備えてあった餅二重ねで、「満珠」「干珠」とも呼びます(参照:天念寺修正鬼会調査報告 『行事の次第』 付録 資料 鬼会式〔豊後高田市教育委員会〕P.14)

 鬼の目が撒かれると、最後は「鬼後咒」と呼ばれる鬼鎮めの儀式があります。僧侶が「鬼のおくわえ餅」を2匹の鬼にくわえさせて鬼を鎮めます。

 

その後、僧侶が太刀を抜いて捧持し、以下のような鬼後頌を唱えます。

 

「神通力持タル太刀ナレバ、有セバ折セバ切テマシ」

 

そして真言を三度唱してから、最後に「松明結儀頌」を以下のように唱えて終了します。

 

「富マテ、富ミ結テ、富留ルナリ」

 

最後に2匹の鬼はカイシャクに背負われ退場します。

 

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実は、私は鬼の目撒きから最後までは参加していません。最後まで場内にいると帰りの混雑に巻き込まれると思ったからです。しかし、上記のような儀式があるということを、今回、『天念寺修正鬼会調査報告 『行事の次第』 付録 資料 鬼会式〔豊後高田市教育委員会〕』を読んで知りました。

 

また修正鬼会に参加した際は、最後まで見届けて帰ろうと思いました。