福岡県遠賀郡岡垣町にある広大な松林である三里松原内に、「頓々の滝(どんどんのたき)」という小川があり、小川は砂地からでる湧き水がながれているといいます。この不思議な小川を探しに、2019年8月7日(水)に三里松原へ足を踏み入れました。
スマホのアプリ「地図ロイド」を使えば、自分の現在地を地形図上で確認することができます。また、三里松原内には、ときどき松原を管理する車両が入っているようで、↑上の写真のような”道”ができています。
この道が地形図上では表示されているので、うまく道から逸れないよう歩いていきます。しかし道によっては、人がもうほとんど立ち入っていないものもあり、腰ほどの高さにまで伸びた雑草が繁茂している箇所もあります。雑草にはクモの巣がはられているので、雑草とクモの巣をかき分けながらの探索となりました。
このとき強力な味方になったのが傘です。日傘替わりに折り畳み傘をもってきていたのですが、うまく傘を使うと雑草やクモの巣が体にまとわりつかずに歩くことができました。それに強い日差しから、傘のシールドがかなり頭を守ってくれました。
↓青色で示した「頓々の滝」予想地を、あちらこちら探していると、ついに「頓々の滝」と思しき小川を発見することができました。
松原の一画で、不自然に植生の違う箇所があり、その植生の違う繁みを覗くと窪みがありました。
もしやと思い、窪みをのぞき込むと、小川が流れていました↓
場所:福岡県岡垣町大字吉木 三里松原
座標値:33.876455,130.611026
水深は深い箇所でも5㎝程度なので、水のきれいさが写真には、なかなか写すことができないのですが、流れている水はとても透き通っていました。『岡垣町史』P865の情報どおり、砂地から水が湧き出ていました↓ 一か所から水が湧き出しているわけではなく、川の周囲数か所から水が湧き出ており、それがこの小川に合流しているようです。
川底は泥のような見かけになっていますが、比較的硬く歩いてもずぶずぶと足が沈み込みません。水のなかに入ると、だいたい”くるぶし”あたりまで水深があり、水がしみ込んでくるので靴のままでは川のなかには入れません。長靴であれば、このまま下流まですすむことができたと思います。
川の両岸は雑草が繁茂し、クモの巣もたくさん張っていました。また岸は意外と急斜面となっており、岸を歩くとズリズリと川に落ちてしまいそうです。さらに、大量のやぶ蚊が襲ってくるために、川に沿って下流にいくことは断念しました。
「頓々の滝」のほとりには小さな祠が1基あり、祠のなかには片手に包まれるくらいの大きさの丸石が祀られていました↓
最後に地形図で、「頓々の滝」がある位置を確認してみます↓ 安楽院(福岡県遠賀郡岡垣町大字吉木2506)の本堂から北へ約715mの場所に「頓々の滝」があることがわかりました。
「頓々の滝」探索は、わたしにとっては宝さがしのような感覚でしたが、実はまだ、この三里松原には探したいものがあります。
今から8年前に、この三里松原内を歩いたとき、なんとなしに写真を撮ったなかの1枚に庚申塔が写った写真があったのです↓ 三里松原内は松の森です。目印となるようなものがなく、この写真をどこで撮ったのかが思い出せないのです。
この庚申塔をみるけるために、三里松原内を探し回ることとなりそうです。