日々の”楽しい”をみつけるブログ

福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

秋芳洞のみどころ①/⑪ 正面入口の形は地下水が流れた痕?

秋芳洞に入る前に出迎えてくれる立派な洞口。この入口の形は縦長の独特な形をしています。今回の記事では、駐車場からこの秋芳洞口(正面入口)へ至る道周辺の景色と、この洞口がどうしてこんな形になったのかをご紹介したいと思います。

場所:山口県美祢市秋芳町秋吉秋吉台(Google マップ

 

駐車場から正面入口まで、おみやげ屋さん、食事処などが立ち並ぶ商店街をぬけていきます。どこの駐車場からも、およそ10分もあれば秋芳洞正面入口までたどりつけます。

こちらが商店街の様子です↓ 朝の10時前で雨もふっていたので、観光客はまばらです。秋芳洞自体は朝の8時半から入洞することができます。まだ閉まっているお店もありましたが、私たちが帰る時間(11時すぎ)には、おおよそのお店が開店していました。

商店街のいちばん奥に秋芳洞正面入口がみえてきます。ちなみに私たち家族は、下の写真の左側…ソフトクリーム屋さんで、帰りがけにソフトクリームを購入しました。店内にテーブルとストーブが用意されていたので、温かい部屋でゆっくり食べられました。

秋芳洞の受付をすませ遊歩道に入ると、すぐ左手に洞内からの清流をみることができます。川の水は透きとおっています。

秋芳洞の入口に近づくにつれ杉の樹が多くなります。杉の樹々は苔むしており、なんとも美しい景色です。よくよく周囲の自然を観察してみると、転がっている石にも苔がびっしりとついています。

↓こちらは秋芳洞入口から商店街方向をふりかえった風景です。夏はとても涼しいでしょうね。でも春先の現時点ではとても寒いです。

秋芳洞入口からぬけてくる湿った風が、入口周辺を潤し、苔が繁茂できる環境をつくっているのではないかと思います。↓こちらがその秋芳洞(正面)入口です。鍾乳洞の入口ふきんに小さな滝が見えます。これは三段になっており、それぞれ一の淵、二の淵、三の淵と呼ばれるそうです。

滝を遊歩道から見おろしたところです↓

この地下水が洞口を作り出してきたそうです。秋芳洞が誕生した初期の頃は、今の入口よりも高い場所に開口していました。時間がたつにつれて地下水位がさがるとともに、集まってくる地下水の量も多くなってきました。

 

多くなってくる水量に応じて、開口部も広く削られてくるようになりました。だから、秋芳洞入口の形は縦長の三角形のようになっているようです。↓こちらの写真は正面入口から少し洞内へはいった場所です。左側下方5mほどのところに地下水が流れています。

以前はこのぽっかりと開いた穴の部分に地下水が流れていたと思われます。地下水が石灰岩を下へ下へと削っていったのでしょう。ちょっと右にカーブしているのは、川の流れが一時期右側に逸れたのでしょうね。

 

秋芳洞入口から出てすぐの淵です。この淵の水はなんとなく白っぽくなっているのがわかります。これは石灰分が溶けだしたものと考えられます。

これまではだんだんと削られる傾向であった秋芳洞内の淵ですが、いつのころからか、淵周辺には石灰分が沈積するようになっているそうです。だから洞窟内の淵の高さはだんだんと高くなっています(参照:『秋芳洞の自然観察』(秋吉台科学博物館)P7)