福岡県の宮若市は多くの自然が残っており、たびたび訪れる場所です。車で市内を走っていても、福岡県の他地域と比較し、道ばたに庚申塔をみる頻度が比較的多い印象を受けます。市全体の雰囲気は大分県によく似ており、わたし個人の印象ですが、気持ち的にとても落ち着く地域です。
宮若市は、2006年に若宮町と宮田町の合併によりできました。合併前の若宮町の町誌(下)P949の説明によると、若宮町内だけでも庚申塔が163基もあるそうです。そして予想通り、この数は他の地域と比較しても多いのだそうです。
そんな宮若市の庚申塔のひとつをご紹介します。
場所:福岡県宮若市黒丸
座標値:33.719181,130.583701
この庚申塔は宮若市の西のはずれ、福岡県道462号線からすこし脇道に入った場所に祀られていました。
主尊は「庚申尊天」。塔に向かって右側面に「宝暦三年」と刻まれています。宝暦三年は1753年。
この庚申塔の珍しい部分は、塔の下部分に猿らしき像が刻まれていることです。しかも、この猿は長い槍のようなものを両手で持っています。槍を構えて何かを刺そうとしているような体勢をとっています。
この庚申塔は民家の敷地内に祀られており、遠目でしか拝見することができませんでした。塔にむかって左側面は確認することができませんでした。
塔の土台には講のメンバー名が7名刻まれていることが確認できます。