日々の”楽しい”をみつけるブログ

福岡県在住。九州北部を中心に史跡を巡っています。巡った場所は、各記事に座標値として載せています。座標値をGoogle MapやWEB版地理院地図の検索窓にコピペして検索すると、ピンポイントで場所が表示されます。参考にされてください。

こんな場所に宗像大社とつながりのある社があった 福岡県神湊(こうのみなと) 

福岡県宗像市の神湊(こうのみなと)を散策していたときに、「浜宮貝塚」と書かれた看板を見つけ、行ってみることにしました。貝塚らしき遺跡はみつからなかったのですが、宗像大社浜宮という神社をみつけることができました。

世界遺産に登録された宗像大社の本殿から見た場合、この浜宮は北北西2.5㎞ほどの地点にあります。

 

場所:福岡県宗像市神湊

座標値:33.848492,130.495621

 

神社参道にはふたつの鳥居があり、二の鳥居の額束(がくづか)に「宗像濱宮」と、かろうじて文字が刻まれていることが確認できました。

もともと濱宮(浜宮)というのは、5月5日に行なわれる皐月祭(さつきさい)のときに、造られる浮殿(うきどの)を指す言葉なのだそう。

 

参照:http://blog.livedoor.jp/keitokuchin/archives/64915302.html

 

浮殿というのは何でしょう?わたしはよく知らないので調べてみました。浮殿それ自体の言葉の説明はみつからないのですが、太宰府天満宮境内に「浮殿」があるそうで、その説明板の写真に浮殿の説明が紹介されていました。

 

参照:https://4travel.jp/travelogue/10943087

 

その説明板には”水面にその影が映る建物を浮殿といった”とあります。大分県宇佐市の和間神社にも浮殿と呼ばれる社殿があります。和間神社の浮殿も寄藻川の上に乗りだすように社殿が造られ、その社殿へ川岸から橋が伸びています。

https://www.norichan.jp/image10/wama.jpg

引用:https://www.norichan.jp/jinja/renai2/wama.htm

 

水中に柱を建ててその上に社殿を置き、水上に社殿が浮いているように見せる様式を浮殿と呼ぶようです。宗像濱宮はもともとこの浮殿を指す名前だったのですね。では宗像濱宮は、どこに浮いていたのでしょう?またこちらのサイトを参照してみると、釣川に浮いていたようです。

 

参照:http://blog.livedoor.jp/keitokuchin/archives/64915302.html

 

釣川は宗像濱宮から東へ400mほどの場所を流れる川で、宗像濱宮付近だと玄界灘へと注ぐ河口部となっています。むかしは、皐月祭(さつきさい)のときに、宗像五社(※1)の神輿が浮殿に集結したのだそうです。

 現在では釣川はこの航空写真のような形となっていますが、昔はもっと川幅は広かったようで、宗像濱宮がある場所は釣川の一部であったと云われています。だから宗像濱宮=浮殿なのですね。

 

この宗像濱宮とは別に、宗像市江口の「五月宮」がある場所にも浮殿が設けられたそうです。江口という地域は釣川の東側にあたります。地図上では五月宮というのは見当たらないので、地道にさがすしかなさそうです。

 

(※1)宗像五社とは

宗像3女神(むなかたさんじょしん)に、織幡大明神(おりはただいみょうじん)許斐権現(このみごんげん)を加えた5神を指します。

 

宗像3女神は沖ノ島の沖津宮に祀られる多紀理毘売命(たきりびめ)、大島の中津宮に祀られる市寸島比売命(いちきしまひめ)、田島の辺津宮(へつみや)に祀られる多岐都比売命(たぎつひめ)です。