昔ばなしの「かさじぞう」と同じエピソードがあるお地蔵様が、北九州市小倉南区に残っています。
場所:福岡県北九州市小倉南区大字辻三(つじみつ)
座標値:33.818058,130.823975
そのお地蔵様があるのは、護聖寺(ごしょうじ)というお寺の付近です。一枚目の写真は護聖寺から眺めた景色です。とても美しい田園と農村が眼下に広がっています。
護聖寺へは細い農道を車でグングンと登って行きました。山の斜面にある「辻三(つじみつ)」という集落を抜けて、集落のはじっこまで行きます。集落の一番高い場所に護聖寺があり、地理院地図で確認してみると、護聖寺の本堂がある地点で標高は125mほどです。
護聖寺の駐車場は、本堂に向かって左側にあって、本堂と同じ標高にあります。なので駐車場に車を停めて、参道脇に祀られているお地蔵様の場所(標高119m)へ行くには、護聖寺参道の階段を下るかたちとなります。
参道脇に古い6体のお地蔵様がズラっと祀られています。これらが「バチ笠地蔵」です。
バチ笠地蔵のエピソードは、昔ばなしのまさに「かさじぞう」と同じエピソードですが、その完全版がPDFで紹介されているのが北九州銀行の北九州昔話です。
https://www.kitakyushubank.co.jp/portal/mukashi/pdf/mukashi_01.pdf
お地蔵様は半肉の浮き彫りで刻まれており、一体一体持っているものが違っています。こちらは向って左側から順番に写真を撮らせていただきました。
それにしてもバチ笠という言葉はわたしは初めて聞きました。昔ばなしの挿絵を見てみると、バチ笠は竹で作られた円盤状の頭にかぶる笠であることがわかります。でも、どうして「バチ」と呼ぶのでしょう?
「バチ」についてそのまま説明してくれているサイトは見つかりませんが、徳島県立博物館 学芸員「磯本宏紀のホームページ」にバチ笠について触れられていました。
http://www.museum.tokushima-ec.ed.jp/isomoto/column/ryutushitamingu.html
それによると、「農や漁の作業時に被るタカラバチと呼ばれる笠」と紹介されています。どうも別の名前で、竹皮笠(たけのかわがさ)と呼ぶようです。結局、「バチ」という意味はわからないままでした。