2018年10月20日(土)に、福岡県嘉穂郡桂川町にある王塚古墳を見に行きました。王塚古墳は6世紀中ごろに作られた前方後円墳です(参照)。古墳の壁画をはじめ、内部の環境を保全するために、王塚古墳の内部は年に二回(4月、10月)だけしか一般公開はされません。「いつか行ってみたいな」と思ってはいましたが、その願いがかないました。
座標値:33.588785,130.663556
2018年の10月は20日(土)と21日(日)の二日間で、王塚古墳の無料公開が行なわれました。
王塚古墳前のテントで、氏名と住所を記入すると受付番号が書かれた見学証をいただけます。一回で20人ほどしか古墳内を案内ができないので、受付番号が回ってくるまで古墳付近で待ちます。
順番が回ってきたら、下足からスリッパに履き替え、古墳内にある「保存施設」へと案内されます。↓下の図の赤色の箇所です。
↓赤い箇所の拡大図が下の図です。①の部分で古墳の説明を受け、②から③の部屋へと案内されます。③の小窓から⑤の石室を見学するという流れでした。
⑤の石質はもちろんのこと、②や③の保存施設も最低限の光が使われるのみで、うす暗闇の空間でした。また、石室内と同じ温度になるよう、保存施設の温度もコントロールされていました。
想像以上にきめ細かく、古墳の現在の状態を保存するために完備されているようでした。
古墳内は撮影が禁止であったために、保存施設の小窓から見える石室の様子は、パンフレットの絵を掲載させていただきました↓
王塚古墳は前室と後室があり、後室がメインとなる場所ですが、後室の様子はほとんど確認することができませんでした。まさに↑上のパンフレットの絵と同じような感じです。
さらにわかりやすく解説してくれているパンフレットがこちらです↓
ひまわりに脚が生えているような「双脚輪状文」や、わらびの若芽のような「わらび手文」が不思議な形をしていて目を引きます。
この古墳が発見されたのが昭和9年。古墳の保存活動が成されていない時代は、古墳の天井のすき間からは雨水がしみ込んできて、石室内部の地面はぬかるんでいるような状態でした。そのため、石室内の壁画は傷みはじめました(参照)。
そして昭和44年に「装飾古墳保存対策研究会」が発足され、徐々に保存に対する関心が高まってきたのだそうです。
パンフレットの地図を見ると、王塚古墳の周辺には、他にもたくさんの古墳が分布しているようです。嘉穂郡桂川町をもっと探索してみたいと思いました。