座標値:33.323434,130.791347
ずっと以前に、”赤い鳥居がずらっと並んでいて、その先に田園風景がひろがる”この浮羽稲荷神社の写真をどこかで見て、一度いってみたいと思っていました。
どうしてこんなにたくさんの赤い鳥居が祀られているのでしょう?改めて考えてみると、お稲荷さまが祀られている神社には赤い鳥居がたくさんあります。
そもそも、どうして稲荷神社には鳥居がたくさんあるの?
伏見稲荷大社のホームページでその理由が書かれていました。
願い事が「通る」或いは「通った」御礼の意味から、鳥居を奉納する習慣が江戸時代以降に広がった結果です。現在は約1万基の鳥居がお山の参道全体に並んで立っています。
鳥居は神社を信奉するかたがたから、ひとつひとつ奉納されていたのですね。そういえば、神社には寄進者の名前と寄進額が刻まれた柵(玉垣)が、周囲をぐるっと囲っているのをよく目にします。稲荷神社の場合は、それが鳥居なのでしょう。
たくさんある鳥居はどうして朱色なのか?
稲荷神社の鳥居はどうして赤色なのか…の理由も同サイト(伏見稲荷大社HP)で紹介されていました。
・魔力に対抗する色
・稲荷大神様のお力の豊穣を表す色
・昔から木材の防腐剤として使われてきた水銀(=丹)が朱色
…などいくつかの理由があるようです。
どうして”うきは市”に稲荷神社?
浮羽稲荷神社の案内板にご祭神の紹介がなされていました。それによると…
①伏見稲荷大社 稲倉魂(うがみたま)の神
②京都松尾大社 大山咋(おおやまくい)の神
③太宰府天満宮 菅原の神
…となっています。①稲倉魂神と②大山咋神は、調べてみるとどうも治水や農業に関わる神様のようです。
稲倉魂(うがみたま)の「ウカ」は穀物を表すそうです(参照)。そして大山咋(おおやまくい)の「くい」は杭のことで、大山に杭を打つ神、つまりは山の地主神であり、また、農耕(治水)を司る神なのだそう(参照)。
福岡県うきは市はブドウ、イチゴ、ナシ、カキ、モモなどの果物の名産地として知られています。調べてみると果物だけでなく、米はもちろん麦、花き、野菜などの栽培も盛んなのだそうです(参照)。
実際に今の時期(9月)うきは市を車で走ってみると、たくさんのブドウが実っており、あちこちに「これでもか」というくらい「ぶどう直売所」「ぶどう狩り」の看板を目にすることができました。
浮羽稲荷神社は山のなだらかな傾斜地に祀られていて、その周囲も果樹園となっています。航空写真で見てみるとこんな感じです。
おそらく稲をはじめとする農産物の栽培が盛んな土地のために、このような立派な稲荷神社も建てられたものと考えられます。そして農業を生業とされている方々からの奉納により、この場所にはたくさんの鳥居が祀られていると予想されます。
浮羽稲荷神社へは雨の降る日の訪問でしたが、神社からの展望は格別でした。