場所:福岡県宗像市吉留
座標値:33.811190,130.627864
自然石に「猿田彦大神」とのみ刻まれた庚申塔です。その他の銘は確認できませんでした。安座神社の参道脇に祀られていました。
もう一基、庚申塔がありました↓ こちらの庚申塔はツタが這っており刻まれた文字が読み取れませんでした。
しかし、「安座神社」で検索してみると、他にもこの庚申塔を写真に撮っているかたがいました。その写真がこちらです↓ こちらのサイト(福岡神社参拝帳)から引用させていただきました。
こちらの写真をよく見てみると、庚申塔の建立年月日がわかります。「元禄十四年 八月吉祥日」と刻まれており、1701年の八月に造られたことがわかりました。
これらの庚申塔が祀られていた安座神社はどんな神社なのか?初めて聞く名前の神社だったので、少し調べてみました。
福岡神社参拝帳によると、別名は豊日神社とよぶらしく、同じ社名の神社が安座神社から南南東へ約1.3㎞ほどいったところにひとつあります。
安座神社には国常立命(くにのとこたちのみこと)、豊受姫神(とようけひめのかみ)が祀られているそうです。
国常立命は日本書紀のなかで、天地が創造されるとき一番初めに現れた神様。
豊受姫神は食物の神さまで、《古事記》では天照大神はこの神から五穀の種子を受け、神産巣日(かんむすひ)神は、この神から五穀・養蚕の道を受けたのだそう(参照)。
宗像市の吉留という地区は田園の広がる地域。作物の豊作を願ってこの神社が建立されたと考えるのが自然と思われます。
年配のかたに話を聞くと、直方市でも養蚕をしていた家があったそうです。また、福津市の宿場町である畦宿(あぜしゅく)でも昔は養蚕が行なわれていたそうです。もしかしたら養蚕の神を祀る神社としての機能も持っていたのかもしれません。