福岡県遠賀郡芦屋町にこんな史跡があります。これは、福岡県を流れる遠賀川の河口近くに残されている、古い橋の欄干です。
橋そのものは残されていません。昔、芦屋町には真ん中でぽっきりと折れてしまった橋があるとの情報を得て、その痕跡を探していたのですが、見つけることができました。
昔、ここには芦屋橋というコンクリート製の橋が架かっていました。
現在の地形図を見てみると…
こんな感じで、遠賀川に芦屋橋が架かっています。地形図に載っている芦屋橋は新しい橋。欄干だけが残っている昔の橋は、今では旧芦屋橋と言われています。旧芦屋橋はこんな感じで、大正6年4月10日に架けられました。
↓この写真は芦屋町が制作した百周年記念誌、「温故知新」という本に載っている写真です。大正6年5月13日に、大々的に開通式が行われたそうです。
この橋は、福岡県から借金をして建設されました。その借金を返す必要があったので、橋ができた当初は、橋の通行料金がとられていたそうです。
だけど芦屋町は、その借金を県に返すことができませんでした。そのため芦屋橋は、ついには県有のものとなりました。県有になった時点で通行料はとられなくなったそうです。
この橋には、ちょっとおもしろいエピソードがあって、地盤沈下によって中央部分で曲がってしまい、使えなくなったそうです。だから今の新しい芦屋橋が造られることになりました。真ん中近くで折れ曲がり、ついに中央がなくなってしまった旧芦屋橋は、「折れ橋」という名前で親しまれていたそうです。