「三人寄れば文殊の知恵」ということわざの
発祥地である文殊仙寺(もんじゅせんじ)。
国東半島のおおよそ中央部。深い山のなかにあって
↓樹齢1100年のこんな立派なケヤキがあったり…
700年以上も前に造られたとされる苔むした仁王像が
あったり、秋は紅葉スポットでもあります。
↓地図でみると赤丸でしめした場所が
文殊仙寺の場所です。
↓詳細地図はこちら。
けっこう山奥にありますが、このお寺が海のくらしと
つながっていたとは知りませんでした。
この豆知識が記載されていたのがこちら。
「六郷山と田染荘遺跡」(櫻井成昭 著)
この本をもとに過去に撮った写真をさがしていると
小角祠(おづのぼこら)という場所に妙見菩薩像が写ってるのを
みつけました。
小角祠は本堂のわきにある小さな祠です。
写真中央に大きくうつっているのが小角(おづの)。
つまり役行者(えんのぎょうじゃ)と呼ばれるかたです。
修験道の開祖ですね。
↑その小角の前、右手に刀をもっているのが妙見さま。
ご利益のなかに「航海の安全をまもる」というのがあるんです。
私たちが北の夜空をながめると、不動の星を見る事ができます。この星を北極星と言い、この星を神格化したのが「北辰妙見大菩薩」です。(中略)災いを除き、福を招き、家を鎮め繁栄をもたらす 「鎮宅霊符神」の要素と、北極星が航海の目印となることから海上安全の神、また海上貿易で利益を得ていた大商人が帰依したことから商業の神、そして妙見と いう字面から、眼病平癒の神として民衆の間に信仰が広まりました。
このほかにも海かかわる品々が残されてます。
たとえば、文殊堂脇の石段には漁師さんや
廻船問屋(かいせんどんや)が寄付した
石灯籠や手水鉢があります。
また(みたことがないのですが)
「海上安全」の護符版木(ごふはんぎ)というものも
残されているそうです。
国東半島のほぼ中央にありますが、昔のひとにとっては
豊後水道の航行をみまもってくれる大きな存在の山、
そしてお寺だったのでしょうね。
文殊仙寺の場所:大分県国東市国東町大恩寺2432
現在地から文殊仙寺:Google マップ