大分県臼杵市生まれの小説家 野上弥生子(のがみやえこ)氏。この方が訳した『ハイヂ』が、1920年に『世界少年文学名作集 第8巻』として発行されたそうです。
「多くの少年少女たちにもこれらの可憐な子どもたち(ハイジとペーター)を紹介したいと思っていた。単に清新で美しく、おもしろいばかりでなく、芸術的な価値においても非常にすぐれていなければならない児童読物の困難な条件を、この物語こそ具備していると信ずるからである」(『アルプスの山の娘(ハイヂ)』(岩波版)あとがきより)
野上氏は、このようにハイジへの想いを熱く語っています。それにしても、あの『アルプスの少女ハイジ』は、およそ100年前に日本で初めて紹介されたんですね。
「ハイジ」を日本に紹介した野上氏のデビュー作は『縁(えにし)』。この小説は大分県豊後大野市が舞台なのだそうです。そんな豊後大野市の見どころはこの滝!
≪東洋のナイアガラ≫と称される「原尻の滝」です。祖母山(そぼさん)を源流とする大野川水系緒方川にある滝です。↑上は夜明け前の滝。蒼く弱い光のなかで、滝の筋が白くうかびあがっています。とても幻想的でした。
そして↓こちらが、日の昇ったあとの滝。右奥に鳥居が見えます。
毎年11月中旬に開催される「緒方三社 川越し祭り」のときに、神輿がこの鳥居をくぐります。800年もつづく祭りです。
そういえば、川越し祭りが開催される時期になってきました。