宇佐市や中津市を周っていると、そこかしこで鶏の唐揚げ専門店を目にします。最近できた道の駅「なかつ」にも、惣菜コーナーに「唐揚げの聖地」らしく、いろんな種類の唐揚げがパック詰めにされてずらっと並んでいますね。
ぼくも、小腹が空いたときや、クリスマスなどのイベントごとのときなど、唐揚げ専門店のお世話になっています。
↓「大分県 謎解き散歩」(新人物文庫)で、”大分県にはなぜ唐揚げ店が多いのか”という項目があったので、唐揚げのことが気になり調べてみました。
以下、宇佐・中津の唐揚げ事情について書いていきます。
唐揚げ専門店が大分県宇佐市ではじまった
2013年の、全国における一人当たりの鶏肉消費量は、1位が福岡。以下、宮崎県、鹿児島県、熊本県、大分県、佐賀県と続き、上位6県は九州が占めています(参照)。
特に、大分県や宮崎県の鶏肉消費量が多いのは、唐揚げとチキン南蛮の人気が影響しているようです。
大分県の唐揚げは、ニンニクなど十数種の薬味を入れた、醤油ベースの調味料で味付けされていて、濃いめの味が特徴です。味が濃くて、身がやわらかいので、冷えてもおいしいのです。
↓大分県のなかでも、特に唐揚げの人気が高い地域は、県北部の中津市と宇佐市です。
大分県のなかで、なぜこの県北地域で唐揚げの人気が高いのか。それは宇佐市が唐揚げ専門店発祥の地で、今では唐揚げの激戦地となっているからです。
以前から、「唐揚げ発祥の地」として大分県宇佐市の名を聞いていましが、さすがに、全国ではじめての唐揚げ屋さんは、どこか(東京か大阪あたり)ではじまったのだろうと思っていました。
唐揚げの歴史|唐揚げとは|日本唐揚協会を見てみると、まさに、大分県宇佐市で唐揚げ専門店がはじまったそうです。
もともとは居酒屋さんだった
中津・宇佐を含む県北地域には、戦後の食糧難に備えるために、たくさんの養鶏場があったそうです。
そんな環境の中、大分県宇佐市四日市の中国料理店「来々軒(らいらいけん)」がブロイラー販路拡大の相談を受けて、昼定食に唐揚げ定食を出しました。これが、唐揚げの歴史のはじまりです。「来々軒」は今でも、現役バリバリでやっているお店です↓
食糧事情がよくなかった昭和30年代。安くておいしい鶏肉が食べられるということで、「来々軒」には行列ができたと伝えられてます。
その「来々軒」の技を受け継いだのが居酒屋「庄助(しょうすけ)」です。
「庄助」はこちらのブログで紹介されていました。
ターゲットを切り替えるために唐揚げ専門店へ
からあげ専門店発祥の地|宇佐からあげ?|宇佐からあげ「USA☆宇佐からあげ合衆国」で、「来々軒」から「庄助」へその技を受け継いだときのエピソードが紹介されています。
庄助さんは、元々、鶏の買い付け事業を営んでいました。けれどブロイラーの登場に伴い廃業。人気の「鶏からあげ」を中心とする居酒屋を開いたのですが、うまく肉を揚げることができません。教えを乞われた福田さん(来々軒)は、「うちは昼中心、おたくは夜中心の営業だ。お向かい同士だし、教えましょう!」と庄助さんの頼みを快諾。こうして「来々軒」の技が「庄助」に伝わります。
当時、居酒屋さんを開いていた「庄助」は、現金払いで唐揚げを持ち帰る主婦にターゲットを切り替え、県北地域ではじめて唐揚げ専門店を開くことになったのです。
周囲に農家が多かったので、居酒屋さんだと支払いが米の収穫が終わってからの「つけ」になってしまい、なかなか現金収入が得られなかったそうです。ここ「庄助」から唐揚げ専門店は、市内外へ広がっていきました。
まとめ
チェーン店とは違って、お店によって味付けが違うので、唐揚げの食べ歩きをして、味比較をするのは楽しいですよ。自分の味覚に合ったお店が見つかるかもしれません。
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